2016年度 活動レポート 第242号:福山大学生命工学部海洋生物科学科

2016年度活動レポート(一般公募コース)第242号

瀬戸内海で生まれた「つくり育てる漁業」を体験する

福山大学生命工学部海洋生物科学科からの報告

福山大学は一昨年・昨年に続き、さくらサイエンスプログラムに採択され、3年目の今年は、ベトナム国家農業大学水産学部の学生さん10名と教員2名の計12名が8月29日〜9月4日の日程で福山大学を訪れ、水産技術の研修を受けました。

8月29日(1日目)

ベトナム農業大学の一行12名(学生10名、教員2名)は、ほぼ予定通り12時前に広島空港へ降り立ちました。深夜発に加え、インチョンの長時間のトランジットにもかかわらず大変元気で、このプログラムへの期待度がひしひしと伝わりました。本学の大学会館2階で歓迎会が行われ、交流の幕開けです。その日の夕方は尾道の商店街をシティーウォークしました。

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広島空港へ到着.さあ始まります
歴史の町尾道を散策

8月30日(2日目)

いよいよ研修が始まります。午前中は因島キャンパスの施設及び海岸など、フィールドを見学しました。午後は、日本の増養殖の現状について講義を受けるとともにベトナムの水産や養殖の概要を話してもらい意見交換を行いました。

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因島キャンパスの屋上にて.

8月31日(3日目)

午前中は、親魚と卵の管理、餌料と仔稚魚飼育の実習です。因島の大学院生や4年生も大わらわで、飼育施設の中を案内しサンプリング・観察を一緒に行いました。午後は、魚病と赤潮についての講義と充実した1日でした。

9月1日(4日目)

日本で盛んに行われているマダイの養殖場と、東南アジアで注目されているハタ類の種苗生産について現場を視察しました。

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実習先の研究所でハタ類の飼育を視察

9月2日(5日目)

午前中は広島での平和学習です。午後は広島から福山大学に戻り、プログラムの総括を行いました。参加者のみなさんからは感想やプログラムの改善点についてコメントをいただきました。

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原爆ドームの傍らで

9月3日(6日目)

福山市鞆の浦に向かい、歴史散策を行いました。当日は台風の影響か、鞆の浦にしては珍しく強風が吹く1日でした。午後は関西空港へ移動です。

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鞆の浦歴史散策
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新幹線で関西空港へ

9月4日(7日目)

いよいよお別れの時がきました。長いようで短くも感じられる来日でしたが、皆さん「素晴らしい研修だった。是非、また来たい!」とのことです。涙ぐんでいつまでもゲートに入らない学生さんを急かしてさくらサイエンスプログラムはめでたく終了しました。

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実習を通じて広がる交流の輪

さくらサイエンスプログラムは無事終わりましたが、これはあくまでもベトナム国家農業大学と福山大学の交流のスタートです。プログラムの間も今後について意見交換しました。 「鉄は熱いうちに打て」のことわざに従い、無事帰国のメールを起点に早速、今後についてやり取りを始めています。

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参加者の皆さんから今回の成果とプログラムへの感想を話していただきました
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修了証授与式の記念撮影

海産魚類の養殖技術を柱に交流の課題が両者の間で固まりつつあります。まずは、モデル魚種を選定し問題抽出と解決へのチャレンジに着手したいと考えております。

ベトナム国家農業大学の便りに「今度は私たちが汗をかくから早くこちらに来てください」との言葉がありました。「楽しみにしています」と返信しています。