2016年度活動レポート(一般公募コース)第239号
ビッグデータメディシンと最先端医学を学ぶプログラム
東北多文化アカデミーからの報告
一般財団法人東北多文化アカデミーでは、今回三度目となる東北大学医学部との連携プログラムで、中国・モンゴル・インドネシアの三カ国七機関から15名の招へいを行いました。
医学部での研修初日となる8月22日には、下瀬川医学研究科長の挨拶、TTA押谷理事の挨拶に続いて、医学科大学院、障害科学大学院の紹介、生命科学国際大学院構想についての紹介がありました。
また、平成26年度さくらサイエンスに参加して現在博士課程に在学中の二人の先輩たちから、さくらサイエンス2014参加時の経験と大学院に進むことになった経緯などが紹介されました。
さくらサイエンスの先輩からの話には、研修に望むにあたって役に立つ情報が多く伝えられ、研修生の皆さんも熱心に聞き入っていました。
初日午後は、東北メディカル・メガバンク機構、東北大学クリニカル・スキルスラボなど、世界最先端のバイオバンク施設や次世代シークエンサーなどの最新鋭研究機器を実見することで、東北大学が建学時から掲げる「研究第一」の精神が研修生に伝わったようでした。
2日目から5日目は、本プログラムの中心となる、事前に希望した研究室での4日間の研修となりました。
各研修先では、お世話役の先生に実地で実験指導を受けたり、関連する複数の研究室の見学などがありました。
また4日目の木曜日には皆で片平の魯迅の学んだ階段教室などのキャンパスツアーを行いました。東北大学は古くから留学生を積極的に受け入れ身近な大学という印象を持ってもらうのに有効だったように思います。
各研究室での研修以外にも、週末には、東日本大震災の津波被災地である石巻を訪問し、石巻赤十字病院で、被災時の石巻赤十字病院での対応や状況について研修を受けました。
その後、今回初めての企画となる南三陸町での震災地のバスツアー、ホームステイを行いました。
4つの家庭に分かれてのホームステイで、初めて日本の普通の家庭の経験をすることへの不安もあったようですが、翌日集合場所に戻ってきた学生たちは、本当にその一晩を楽しんだようで、見送ってくれた家族ともいつまでも名残を惜しんでいました。
仙台に戻る途中、松島に立ち寄って、瑞巌寺、五大堂などの見学を行い、またこけし作りという体験もしました。研修期間中も夜は小グループで街に夕食に出たり、訪問先の研究室関係者と街に出たりした研修生もいたようで、日本文化や仙台市の生活環境に触れる良い機会になったと思います。
仙台を離れる8月29日の午前中には、研修生による報告会が開かれました。一人一人が研修先の研究室での活動を専門的な内容も含め、要領よく自信を持ってプレゼンしていたのは大変印象的でした。
発表後一人一人、大学からとさくらサイエンスプログラムからの修了証書が各研修生に授与されました。
研修生の何人かの方から、また日本に戻ってきて研究したいとの言葉も聞かれました。報告会後の交流会では大学スタッフと研修生が交流を深め、また研修生同志の友情もさらに育まれたようでした。
今回は、3つの台風が次々に日本に襲来する最中でのプログラム実施となり、スケジュールへの影響が懸念されましたが、幸い、直接の影響はほとんどなく、無事にプログラムを終えることができたのは、何よりでした。