2016年度 活動レポート 第226号:福岡工業大学学術支援機構

2016年度活動レポート(一般公募コース)第226号

科学技術分野を中心に日本を多面的に知る体験プログラム

福岡工業大学学術支援機構国際戦略室からの報告

福岡工業大学は、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、中国南京理工大学と青島科技大学の両校より合計10名の学生を招へいし、2016年12月4日~12月12日の9日間、本学での最先端研究プロジェクトの体験、大学院授業や研究室ゼミ参加等活動を通して、本学の教員や大学院生と科学技術分野での教育研究交流を深め、また、学外での日本産業の見学並びに日本歴史文化の体験も含め、日本を多面的に知る体験プログラムを実施しました。

到着日翌日の日中交流会では、参加学生からこのプログラムで学びたいこと、期待することなどが発表され、知りたいという強い意欲を覗かせました。日本人学生ともすぐに打ち解け、SNSの交換、日本の学生生活や、アニメ、音楽の話で盛り上がりました。

学内研修では、本学の最先端研究プロジェクトである、「先端計測技術研究センター」において、画像技術とレーダー技術を融合した、津波計測及び防災・減災システムの応用研究を見学しました。地震、津波に対する日本人の高い意識や、科学技術を駆使した取り組みがいかに重要であるか、よりリアリティのある学びとなりました。

また、最新設備が揃うエレクトロニクス研究所、特許、産学連携を統括する総合研究機構を見学し、本学の教育研究における多くの取り組みを学びました。

エレクトロニクス研究所にて最新設備の見学

研修期間中、本学知能機械工学科、生命環境科学科、電気工学科、電子情報工学科の各研究室を訪問し、本学の大学院生とさまざまな交流を行いました。教員からは、研究内容のみならず、その人生体験など、キャリア形成等までお話しいただき、学生たちは皆熱心に聞いていました。

電気工学専攻大学院生との交流

一方、学外研修では、北九州市立環境ミュージアムとトヨタ自動車九州を見学しました。

環境ミュージアムでは、北九州市の産業発展に伴う公害からの克服を学びました。今、中国では高度成長に由来する環境汚染に直面しており、学生たちも大変勉強になったようです。

北九州市立環境ミュージアムで公害克服を学ぶ

また、隣接施設のエコハウスでは、環境に優しい設備はもちろん、日本の一般的な家の様子も見学することができ、こちらもとても興味を持っていました。

トヨタ自動車九州工場見学では、最新ロボットと人との作業分担、作業者の負担が軽くなるよう工夫されていることなど、将来エンジニアを目指す学生も多いため、質問も多く出ていました。

トヨタ自動車九州工場見学 日本のモノづくりに感動

成果報告会では、本学教職員、日本人学生、各大学からの長期留学生の前で、この日本研修で学んだことを各自発表しました。

成果発表会にて

さくらサイエンスプログラムに参加できたことで、学生からは科学技術、文化、学生交流などの色々な面で日本を知り、将来の人生設計に選択の幅が広がったと言う声も多く聞かれました。

この研修は、モチベーションの高い中国の大学生たちの輪に本学の学生も加わり、3校にとって素晴らしいコラボレーションの機会となりました。先方引率者からもこのような充実したプログラムに対し、高い評価と感謝の言葉を頂き、今後も本プログラムの継続的な実施と強化を強く望まれました。

本プログラムの実施を受けて、本学として今後も、日本と中国の未来を牽引する若い世代が、日進月歩の発展を遂げている科学技術に五感を刺激し、視野を拡大する事業を引き続き取り組んでいきたいと思います。

このような素晴らしい機会を与えて頂いたさくらサイエンスプログラムの関係者の皆様に感謝申し上げます。

日本人学生と一緒に華道体験