2016年度活動レポート(一般公募コース)第224号
海外の高校生を招いての高校化学グランドコンテスト
大阪市立大学大学院理学研究科からの報告
高校化学グランドコンテストは2004年に第1回大会を開催して以来、毎年開催しています。本コンテストは、日本全国の高校生が行った研究内容の発表(口頭・ポスター)と討論を行う場であり、優れた研究に対して文部科学大臣賞をはじめとする賞を授与して表彰する教育支援プログラムです。
2014年開催の第13回大会からは、海外から高校生を招へいして一緒に討論する国際大会として、開催しています。
2016年度はさくらサイエンスプログラムの支援を受けて、11月3日から11月9日の日程で、台湾の国立台中女子高級中学から2名、国立台湾師範大学附属高級中学から1名、またシンガポールのHwa Chong Institutionから2名の高校生を、そして各高校からそれぞれ1名の指導教員を招へいすることができました。
日本に到着した翌日(来日2日目)に、大阪市立大学の人口光合成研究センターの見学を行い、大学教員・大学院生・大学生とのディスカッションも行いました。世界最先端の研究と設備を目の当たりにして感心していました。
翌日から2日間(来日3と4日目)は、高校化学グランドコンテストに参加しました。コンテスト初日は、日本の高校生によるポスター発表があり、海外の高校生も積極的にポスターの前で質問していました。
お互い英語で、しかも気兼ねなくディスカッションしていて、実り多い時間でした。
夕方はレセプションパーティーが行われ、料理のあるテーブルを囲んで自由歓談が行われました。高校生同士はすぐ仲良しになり、メールアドレス交換を行っているようでした。
翌日のコンテスト2日目は一次予選を通過した高校生による口頭発表で、海外招へい高校生も研究発表を行いました。
こちらは昨日のポスター発表とは異なり、緊張した雰囲気の中で質疑応答が行われました。将来の化学技術を担う若い世代同士の相互交流が行われ、お互いに切磋琢磨し、共に親睦を図る機会として、また実践的に国際感覚を身に付ける機会として、有用な2日間であったように思います。
5日目は、高校化学グランドコンテストで今までに優秀な成績を収めた日本の高校の一つである大阪府立千里高校を訪問し、授業の参観、高校教員・高校生との交流をはかりました。
午前中には中国語のクラスに入り、少人数グループに分かれて日本の高校生たちと中国語で会話を行いました。昼休み時間は高校の先生や生徒たちと共に食事をして歓談しました。
午後は化学実験を日本の高校生たちと共に行い、自国の授業との違いなどを体験しました。
今回来日した台湾とシンガポールの高校生たちは、日本の高校生たちと「高校化学グランドコンテスト」という場を通して直接触れ合い、国際感覚を養い、また大学の施設の見学を通して世界最先端技術に触れ、そして日本の高校の授業を体感することにより、教育面での刺激も受けることができました。
これらの体験を通して、将来彼らが日本留学や日本との共同研究のため再来日する日がくることを願っています。