2016年度活動レポート(一般公募コース)第209号
有機エレクトロニクスに関する集中講義の受講と研究現場体験
九州大学最先端有機光エレクトロニクス研究センターからの報告
九州大学最先端有機光エレクトロニクス研究センター(OPERA)では、さくらサイエンスプログラムの採択を受け、スリランカ民主社会主義共和国のサバラガムワ大学の10名の学生と引率教員1名を招へいし、「Organic electronics(有機エレクトロニクス)についての集中講義の受講と研究現場体験」を実施しました。
実施期間は2016年10月24日から11月1日までの9日間で、安達教授からの有機ELに関する講義に加え、合計7人のOPERAの教員・研究員から有機エレクトロニクスの最先端技術について講義を行いました。
サバラガムワ大学との交流は昨年2016年4月に共同シンポジウムをJST ERATO安達分子エキシトン工学プロジェクトで行ったことをきっかけに深まりました。9月には学長様も来学し、ご講演もしていただきました。
10月26日はちょうど安達教授の誕生日で、27日にラボでのサプライズイベントを行い、その際にスリランカの学生さんたちにも参加してもらいました。全体ミーティングにおいて、1人ずつ自己紹介をしていただき、滞在中の抱負を話してもらいました。
ラボツアーでは、OPERAに在籍するスリランカ人のサンダナヤカ准教授により、OPERAでの有機エレクトロニクス材料・デバイスを研究している設備を紹介しました。有機合成室、デバイス作成室、クリーンルームなど、最先端の設備での研究に感銘を受けていました。
海外に来るのは初めての学生がほとんどで、この機会に初めてパスポートを取得していました。そのため、見るもの全てが新しく映ったと思いますが、スリランカでは多くの人が仏教徒であり、豊かな自然に囲まれた風土であることから、九州大学の伊都キャンパス周辺の糸島の自然やお寺には共感できるものがあったようで、休日の外出では大変喜んでいました。
最終日には各学生から10分間ずつのプレゼンを安達教授に対して行ってもらい、この滞在期間で学んだこと、また印象に残ったことを話してもらいました。スケジュールの厳しい中、素晴らしいプレゼンを各学生が行ってくれて、大変熱い想いが伝わって来ました。
サバラガムワ大学では、引き続きの研究交流を希望しており、今回訪問された学生の中から、優秀な学生をまた2名ほど、OPERAへ短期留学で送り出したいということで計画をしていました。そのため、学生さんも是非選ばれたいとのことで、夜遅くまで準備をして、素晴らしい発表となりました。
これをきっかけに、継続的な学生さんの留学や共同研究が推進されると確信しております。スリランカではまだPhDを取れる大学はなく、日本で最先端のサイエンスを学ぶ事に大変期待しています。
本プログラムに助成してくださった、さくらサイエンスプログラムに感謝すると共に、今後もスリランカの学生・研究者との研究交流をご支援いただけましたら幸いです。