2016年度活動レポート(一般公募コース)第197号
共同研究の更なる深化・拡大を図る交流プログラム
情報・システム研究機構 国立情報学研究所からの報告
情報・システム研究機構国立情報学研究所(以下NII)では、さくらサイエンスプログラムにより、2016年7月24日~8月2日の10日間、研究協力機関である中国の上海交通大学、中国科学技術大学、タイのチュラロンコン大学及びベトナムのハノイ工科大学の学生10名(学部生7名、大学院生3名)を受け入れ、共同研究活動を行ないました。
各機関とも、これまでに研究者同士の共同研究やインターンシップ受入れ等の実績を重ね、NIIに設置されている総合研究大学院大学・情報学専攻の正規課程学生の受入れにも至っていますが、今回の交流の目的は、以下の2点でした。
①これから研究者を目指す情報学分野の優秀な学生に、研究活動を体験してもらうこと
②その後の研究指導の継続をも含めた、機関間の共同研究の更なる深化・拡大を図ること
受入に先立ち、参加者にはあらかじめ希望する研究内容を確認し、来日前にNII教員の研究とのマッチング作業を行うことにより、最先端のトピックに焦点を当てて、参加者と教員が研究活動を行いました。
初日は、まずオリエンテーション、およびNIIにおける研究活動について、教員やポスドク等がプレゼンテーションにより紹介した他、研究討論会を実施しました。
プログラムの最初に、NIIが取り組んでいる最先端の各研究プロジェクトの紹介を行うことにより、各参加者の共同研究に直接関係のないテーマについても理解が深まり、また関心が促進されたようでした。
2日目となった7月26日以降は、参加者1人に対し教員1名がメンターとして受け入れ、各参加者が設定したテーマにより、各研究室で共同研究を遂行した。
また、30日には、エクスカーションを実施しました。
お台場の日本科学未来館や上野の国立科学博物館を訪問し、展示やコレクションを通して、我が国の科学技術史や自然史の研究成果等に触れてもらう機会も設けました。
エクスカーションを通じて日本文化の一端に触れることができ、また、科学技術に関する様々な展示に触れることは、参加者にとっては来日後の限られたスケジュールにおいて、リフレッシュできる良い機会になったようでした。
なお、エクスカーションにおいては、NIIに設置されている総合研究大学院大学・情報学専攻に所属する中国とベトナムの留学生によるサポートを得ましたが、彼らとの交流を通じて、NIIや我が国の充実した研究・生活環境を理解してもらうこともできたように思います。
その後、受入最終日の8月1日には、最終成果発表会、およびプログラム修了式を実施し、各参加者が最終発表を行いました。
最終発表においては、参加者やNIIの教員が活発に意見交換を行い、各参加者が質の高い発表を行いました。
成果発表後には修了式を実施し、参加者が教員らと記念撮影を行うなど、和やかな雰囲気の中で全日程が終了しました。
なお、最終日に取ったアンケートからは、プログラムに対する高い評価を得られた他、多くの参加者から、将来的にNIIで研究や学業を行いたいとの声がありました。