2016年度活動レポート(一般公募コース)第192号
再生医療分野における日印共同研究体制の構築
佐賀大学医学部からの報告
2016年11月28日~12月17日の20日間、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、インド工科大学ハイデラバード校から2名の学生(大学院生)を佐賀大学医学部に招き、短期研修をおこないました。
今回の交流活動のテーマは、「医学と工学を融合させるバイオ3Dプリンタを活用した再生医療分野における日印共同研究体制の構築」でした。
佐賀大学医学部臓器再生医工学講座が中心となって開発を進めているバイオ3Dプリンタは、臓器再生技術の実用性の高さから、ここ数年急速に国際的に注目されるようになっています。
研修期間中は、両国での細胞培養方法差異を確認し、細胞培養をおこなった後、バイオ3Dプリンタを使用し、運動器系や臓器についてデザイン・プリントを行いました。
来日した大学院生たちは、今回の研修で初めて細胞を集合・凝集化した球状の細胞集合体(スフェロイド)を作製し、その後の構造体の培養もおこなう事が出来ました。
その後、電気刺激装置を説明し、スフェロイドへの電気刺激の実施や細胞の強度試験を行いました。また、細胞染色・顕微鏡での細胞の状態確認を確認しました。
以上のように、再生医療の現場で要求されている水準の細胞培養技術のトレーニングや、バイオ3Dプリンタを使用・体験して貰う事が出来ました。
今回の研修期間を通じ、作業指導や両国間での実験の差異確認等で、研究者間の学術交流も実施する事が出来ました。
来日した大学院生たちは、バイオ3Dプリンタの原理と実機を視察する為、共同研究先企業の工場見学も行い、バイオ領域での我が国のモノづくりの現場を視察しました。
佐賀大学滞在最終日には、医学部長と面談し、今回の研修で学んだことをプレゼンテーションしてもらい、続いて修了式も行いました。