2016年度活動レポート(一般公募コース)第190号
農畜産業、食品産業の日中相互発展につながる研究交流
琉球大学農学部からの報告
さくらサイエンスプログラムの支援を受け、2016年11月9日から16日まで、雲南農業大学、および浙江大学からそれぞれ教員、大学院生6名の計12名を招へいし、交流プログラムを実施しました。
本交流事業は、日中両国間において、生物の多様性や地域特性に基づく付加価値の高い農畜産物の生産と、それらを応用した機能性食品の開発に関する課題を共有し、将来にわたって両国間の農畜産業、食品産業の相互発展につながるような研究交流を行うことを目的としています。
琉球大学での研修初日は、理学部を訪問し、山崎秀夫理学部長から理学部の概要説明を受けました。
2日目は、琉球大学大城肇学長、外間登美子副学長を表敬訪問しました。その後、医学部を訪問し、松下正之医学部長から医学部の概要説明を受けました。
続いて、農学部を訪問し、井上章二農学部長から農学部の概要説明を受けました。午後は、農学部で開催された農学部教員による英語での交流セミナーに出席しました。
講演タイトルと講演者は、以下の通りです。
外山博英教授
「Introduction of Awamori and microbes involved in its production」
高野良教授
「Chemistry and biochemistry of the sulfated polysaccharides —their structure, reaction, function, and application」
Md. Amzad Hossain准教授
「Studies on Medicinal Plant Turmeric (Curcuma spp.) in Okinawa」
Beata Grzywacz博士
「Preliminary notes on the molecular relationships of the tribe Podismini (Orthoptera, Acrididae, Melanoplinae) in Japan inferred from mitochondrial COI gene sequences」
参加者からの活発な質問があり、盛況な会となりました。講演会の後、農学部会議室において交流会を開催し、参加者は農学部教員との親睦を深めることができました。
3日目は、琉球大学附属図書館にて、琉球大学在籍の中国人留学生との交流会を開催し、沖縄での留学生活等について情報交換を行いました。
その後、沖縄科学体験として、琉球大学熱帯生物圏研究所の瀬底研究施設を訪問し、海洋科学分野の研究についての紹介を聞きました。続いて、海洋博記念公園・水族館の見学を行いました。
4日目は、沖縄文化体験として、首里城、福州園、国際通りを訪問し、沖縄の歴史や文化について学ぶことができました。
5日目は、東京へ移動し、日本未来科学館を見学して日本の先端科学技術に触れることができました。
6日目と7日目には、協力機関であるジャパンローヤルゼリー(株)(以下JRJ)本社にて研修を行いました。
6日目は、JRJ代表取締役山口喜久社長より、JRJ社の概要と、蜂産品に関する海外の研究機関との研究概要と状況の報告を受けました。
そしてJRJ学術顧問の藤井彰博士より、JRJ研究白書の解説と「A dental paste consisting royal jelly and honey to prevent periodontal disease」をテーマにした学術発表が行われました。
続いて、JRJ創業者であり現在取締役相談役最高顧問である山口喜久二博士より「Kikuji Yamaguchi Method of Natural Beekeeping and Comparative Research on Royal Jelly Quality」をテーマに学術発表が行われました。
また、それぞれのテーマによる研究発表の後、質疑応答を行い、相互による学術交流会を終了しました。
発表者、テーマは下記のとおりです。
雲南農業大学 龔雪陽氏
「中国南北のミツバチ品種の違いと多様性について、ミドコンドリア内の遺伝子を用いての研究」
浙江大学 鄭火青氏
「Introduction of Honeybee Science Lab,Zhejiang University」
浙江大学 吴雨祺氏
「The molecular mechanism of biosynthesis of mandibular gland acids in apis mellifera」
浙江大学 张言政氏
「Discrimination of Apis cerana honey and Apis mellifera honey based on MRJPs」
浙江大学 陈伊凡氏
「Effects and Mechanisms of Fatty Acids from Royal Jelly on Inflammatory Process」
7日目は、交流成果発表会を行い、参加者それぞれ日本の文化や研究観点などについて、今回の訪日時の体験と感想を述べました。
最後に、琉球大学の井上農学部長より参加者それぞれにさくらサイエンス修了証が手渡され、プログラムを終了しました。