2016年度 活動レポート 第181号:聖路加国際大学ウィメンズヘルス・助産学

2016年度活動レポート(一般公募コース)第181号

助産/看護におけるアクティブ・ラーニングの体験

聖路加国際大学ウィメンズヘルス・助産学からの報告

2016年10月31日から11月6日の1週間、さくらサイエンスプログラムにて、ミャンマーのマンダレー看護大学の若手教員5名および修士課程院生5名と引率教員1名の計11名が、聖路加国際大学に来日しました。

招へいテーマは、「助産/看護におけるアクティブ・ラーニングの体験」です。

ミャンマーで将来看護職のリーダーとなる人材が、学習者を中心とした学びの場を体感することで、主体的な学習者を育てる営みであるアクティブ・ラーニングを理解することを主な目的としました。

また、本交流により日本-ミャンマー間の助産/看護教育のネットワークづくりの素地となり、将来の再来日につながることを期待しています。

引率教員以外は10名全員が海外渡航初体験です。まずは招待状と共に彼らの住むマンダレーから最大都市ヤンゴンまで夜行バスで10時間かけて上京し、大使館にパスポートを申請することから来日準備は始まりました。

パスポートやビザの取得手続きには1ヶ月半以上を要し、本当に予定通り来日できるのか、神に祈る日々が続きました。そして何とか来日予定9日前に全員がパスポート、そして1週間前にビザを取得し、予定通り羽田空港に到着しました。

来日までのドタバタが嘘のように、プログラムは予定通りに進行しました。初日は、大学および病院見学やカリキュラムに関する説明を受けたり、歓迎会で教員および学生と交流を行ったりしました。

聖路加国際大学の歴史やカリキュラムに関する説明を受ける11名

2日目以降は、本学の看護教育学教員よりアクティブ・ラーニングに関する講義を受講したり、参加型の授業を見学したり、日本の看護大学では本学でしか行われていないTeam-Based Learningを体感したり、実習カンファレンスを参加見学したりしました。

アクティブ・ラーニングとは何か?の講義
形態機能学で本物の臓器を用いたグループ学習を見学

大学院修士課程助産学の少人数テュートリアル方式による授業を見学
大学院修士課程における看護研究法のクラスを参加見学。学生によるプレゼンテーションへのフィードバックのあり方を学ぶ。

Team-Based Learningの授業を体感、グループ毎に答えを導き、グループ間議論を展開する課程を学ぶ
実習カンファレンスを見学。臨地実習の学びを深める過程における教員の支援方法を学ぶ

祝日には、神奈川県湘南エリアの育児環境の視察として、茅ヶ崎市にある「母と子のサロン 齋藤助産院」を訪問しました。

普通の自宅が助産院であることに驚きながら、施設見学する11名

日本の助産師は独立開業する権利を持ち、日本の1%未満ではありますが、アットホームな空間で、女性一人一人の思いを大切にしながら出産を支援していることを説明すると、費用や月の出産数ややスタッフの人数などについて次々と質問があがりました。

最終日のまとめの会では、アクティブ・ラーニングの総仕上げとして、付箋を活用し、
①プログラムで印象に残ったことや感想を各自思いつくだけ書いた後、席を移動しながら仲間同士でその内容を共有し合ったり、
②その内容をどう未来につなげていくかを皆でディスカッションしたりする時間を持ちました。

まとめの会終了後、修了証と共に。
まとめの会。付箋に書いた思いを、移動しながら仲間と共有する

①には、11名を温かく迎えてくれたことへの感謝、日本人の勤勉さへの驚き、さらに学びを深めたいとの思い、今後の交流を継続したいとの強い願い、本学博士課程への留学の希望等があがりました。

②については、自分たちに有益なプログラムだったので再来日したい、今回得た知識と経験を帰国後に仲間と共有したい、自国で今回の学びを適応していきたい、マンダレー看護大学と聖路加国際大学の緊密な友好関係が継続してほしい、日本のようにミャンマーが発展するよう自分たちが変わる必要性がある、等の内容があがりました。