2016年度 活動レポート 第175号:宮崎大学産業動物防疫リサーチセンター

2016年度活動レポート(一般公募コース)第175号

アジア諸国の防疫対策に携わる人材を育成する

宮崎大学産業動物防疫リサーチセンターからの報告

宮崎大学産業動物防疫リサーチセンター(CADIC)では、2016年11月4日から11月13日、さくらサイエンスプログラムの支援により、タイのチュラロンコーン大学から研究者1名、学生1名、マヒドン大学から研究者1名、学生1名、農業協同組合省・畜産振興局の研究所および動物衛生研究所から研究者5名の合計9名を招きました。

学長表敬

宮崎大学産業動物防疫リサーチセンターは、実践型教育・研究を実施できる広大な畜産現場や行政と連携した、口蹄疫や鳥インフルエンザの防疫活動を実施した経験があり、本計画は、これらの利を活用して、アジア諸国の防疫対策に携わる人材の高度専門家を育成することを目的として実施されました。

教育プログラムには、オリエンテーション、文化交流プログラム(着物、茶道、座禅、寺院訪問)、実地見学(口蹄疫メモリアルセンター、観光地訪問)等を組み入れました。

来日翌日に日本科学未来館を訪問し、最新の科学技術を学んだ後、宮崎県へ移動し、その翌日から宮崎大学にて講義・実習、交流セミナーを行いました。

まずは、宮崎大学産業動物防疫リサーチセンターの概要と国際防疫への取り組みについての講義を行い、産業動物防疫リサーチセンターの施設を見学しました。

質量分析計 MALDI-TOF MSを用いた微生物同定システムや、大型動物のMRIなどの設備に、特に興味を示していました。

2010年宮崎で発生した口蹄疫についての講義の翌日には、実際に口蹄疫が発生した地域の見学、また口蹄疫メモリアルセンターの見学を行いました。

講義
施設見学

口蹄疫メモリアルセンター見学
口蹄疫メモリアルセンター見学

その他、蚊媒介性ウイルス防疫についての意見交換会や、口蹄疫検出のためにも使用された、迅速、簡易、精確な遺伝子増幅法(LAMP法)についての実習を行いました。

プログラムの合間に、着物、茶道、座禅体験も行いました。

茶道体験

タイは仏教国であるため、座禅の経験がある人が数名いました。精進料理は、少し苦手なようでしたが、抹茶はタイでも人気があるそうで、みなさん美味しく頂いていました。

最終日には、所属機関の紹介や、現在行っている研究の発表を行うことにより、宮崎大学の学生との交流を深めることを目的として、交流セミナーを行いました。

交流セミナー

招へい者のほとんどが獣医師であり、獣医学科の博士課程の学生の研究に積極的に質問をしていました。

帰国前日には、宮崎の観光名所である青島や鵜戸神宮、飫肥城を視察しました。

宮崎・青島神社にて

鵜戸神宮では、七五三詣での子供達に出会い、子どもの成長を祝う日本の行事に触れ合うことができました。飫肥城では、飫肥藩ゆかりの歴史資料館で甲冑や刀剣等の合戦時代のものを中心に見学しました。

今回、さくらサイエンスプログラムから御支援頂いたことで、タイのチュラロンコーン大学、マヒドン大学、農業協同組合省・畜産振興局の研究所および動物衛生研究所と産業動物防疫をテーマとして交流することができました。

このような貴重な機会を与えていただき、心から感謝申し上げます。