2016年度 活動レポート 第174号:大同大学総合機械工学科

2016年度活動レポート(一般公募コース)第174号

日中友好の架け橋となる科学技術体験実習プログラム

大同大学総合機械工学科からの報告

平成28年11月13日~26日、大同大学では中国の韓山師範学院から学生10人を受け入れました。そのうち9人がさくらサイエンスプログラムの支援を受けての参加となりました。

実験・実習や、学外での工場・施設見学をベースに、留学生向けのさまざまな体験を提供した盛りだくさんの2週間となりました。

13日、笑顔で到着した参加者をスクールバスでホテルに送迎し、チェックイン。学生たちは明日からの生活にワクワク期待しているようでした。

14日は、まずオリエンテーション、大学の施設見学を実施し、午後からは名古屋市内を視察しました。つづいて行われたはウェルカムパーティーでは、2ヶ月ほど前に韓山師範学院に短期留学していた本学の学生8人も参加し、学生同士、和やかな交流の場となりました。

名古屋市内視察、テレビ塔にて
ウェルカムパーティー、大同生との交流

15日午前は講義「日本文化のかたち」を受講し、古来からの日本の文化とかたちの繋がりについて、意味や由来を交えながら学びました。

午後は、プロダクトデザイン専攻の実習「数理造形の講義と生活雑貨のデザイン」に参加しました。数理造形の講義で学んだ内容を利用した造形の方法から、生活雑貨をデザインし、それをレーザー加工機でカットして、日々の生活に役立つオリジナルの作品を制作しました。

数理造形の講義と生活雑貨のデザイン、実習の様子

16日午前は講義「日本の文化と歴史(名古屋を中心に)」を受講し、日本の文化・生活を念頭に置きつつ、日常で使える簡単な日本語会話を練習しました。

また、短期留学中に予定されている視察場所を中心に取り上げつつ、名古屋の歴史(戦国時代から戦後までのダイジェスト)・文化(文化施設・習俗・食文化)・産業(自動車産業・陶磁器産業)などを学びました。

「大同大学の歴史」と「日本の宇宙探査」「私の人生」をテーマにした、学長による講演も行われました。

午後は名古屋市科学館へ移動し、最新の科学技術全般にわたる展示や「生命」「生活」および「地球」をテーマにした生命科学の展示を見学しました。

17日午前は、実験「水道水のできるまで」を行いました。日本における浄水処理の方法に関する簡単な説明を受けた後、その処理法の一部を実習形式で体験しました。

水道水のできるまで、講義の様子

午後は汚泥処理場を訪問し、名古屋市の下水から水分を除去した汚泥を処理して再利用する施設を視察しました。

下水汚泥なので強烈な臭いがしますが、それも体験の一つです。汚物を処理する施設でありながら、たくさんの野鳥が訪れる干潟に隣接しており、施設が環境にも非常に配慮していることが、たいへん興味深かったようです。

18日は、本学が運営する長野県にある自然や観光地に囲まれたロッジ風研修施設「木曽駒ゼミナーハウス」に宿泊しました。

馬篭宿で一度降車し、妻籠宿まで続く約9kmの遊歩道をハイキングし、汗ばむほど暖かな晴天の下、学生たちは日本の古来の宿場町の風情を楽しみながらパシャパシャ写真を撮っていました。

歩道ハイキング、馬篭宿にて

元寿司職人である管理人さんが作る和食も堪能しました。また、開田高原にて蕎麦打ち体験をし、福沢百介橋・寝覚の床に立ち寄り、各所を散策しました。

21日午前はリサイクル場グリーンサイクル(株)を訪問しました。

廃棄物増大による環境破壊を重大な地球環境問題のひとつとして認識し、使用済み廃家電およびパソコンのリサイクル事業を推進することにより、持続可能な循環型社会構築の一翼を担っている現場を見学しました。

午後はトヨタ自動車工場で、トヨタ生産方式による溶接・組立の過程など高品質なクルマづくりについて学びました。

トヨタ自動車工場見学

またトヨタ会館では、トヨタのクルマづくりの考え方や、自動車関連技術を紹介する展示を見学しました。

22日午前は、大同特殊鋼(株)の工場見学を行いました。鋼の原材料となるスクラップを電気炉に入れて「溶かす」工程から連続鋳造などで「固める」工程、そして「固めた」鋼片を伸ばす工程までを視察しました。

大同特殊鋼工場見学

高温で真っ赤に輝く金属の大きな塊が目を前の行き来する様子を見るのは、とてもエキサイティングだったと思います。

午後は実習として、「“におう”とは、どのような現象か?」をテーマに、味覚と嗅覚の関係についてチョコレートを使って実験しました。

23日午前の実習では、「パッケージのデザインおよび試作」を行い、15日の実習で制作した生活雑貨のパッケージをデザインし、制作しました。

パッケージのデザインおよび試作、実習の様子

グラフィックソフトで台紙のデザインを行うとともに、真空成形機によってブリスターパックを制作しました。

午後はキリンビール工場を訪問しました。一番搾り麦汁と二番搾り麦汁の飲み比べや、麦芽の試食、ホップの香りを体験できるツアーに参加しました。五感をフルに使って工場見学を楽しみました。

24日は修了式につづいて、フェアウェルパーティーを実施し、2週間で見たこと・学んだことの「印象に残ったベスト3」を発表してもらいました。

フェアウェルパーティー、「印象に残ったベスト3」発表の様子
修了式、終了後

そして最終日には笑顔で中国への帰国の途に就きました。