2016年度 活動レポート 第173号:宮崎大学産業動物防疫リサーチセンター

2016年度活動レポート(一般公募コース)第173号

国際防疫を担う次世代の人材を発掘し将来育成する

宮崎大学産業動物防疫リサーチセンターからの報告

宮崎大学産業動物防疫リサーチセンター(CADIC)では、2016年11月4日から11月13日、さくらサイエンスプログラムの支援により、中国青海省畜牧獣医科学院から研究者10名を招きました。

学長表敬

本計画は、これまでの本学と青海省畜牧獣医科学院の研究・人材交流をさらに発展させ、青海省畜牧獣医科学院の若手研究者に本学の高度技術を通した防疫の在り方を理解してもらうことにより、国際防疫を担う次世代の人材を発掘し将来育成することを目的として実施されました。

ウェルカムパーティー

また実施計画には、茶道・座禅・着物体験など日本文化への理解を図る内容や宮崎の観光も含まれています。

来日翌日は、東京国立科学博物館で展示物を利用しながら野生動物が牧場へ与える影響について学びました。

それ以降は、宮崎大学で講義・実習、交流セミナーを行いました。

講義は、チベット高原におけるヤクとヒツジの放牧が草地の荒廃に及ぼす影響や、エキノコックス症の制御法など、共同研究に関わる内容や、宮崎における過去の口蹄疫・鳥インフルエンザの防疫対策に関する内容で行われました。

講義

実習では、口蹄疫検出のためにも利用された、迅速、簡易、精確な遺伝子増幅法(LAMP法)を学びました。

実習

プログラムの合間に、茶道・座禅・着物体験を行いました。

茶道体験

中国から伝えられたお茶が、日本独自の進化によって茶道になったことに対して、みなさん非常に興味が高く、茶道の先生にたくさんの質問をされていました。精進料理もすべて完食されていました。

最終日には、所属機関の紹介や、現在行っている研究の発表を行うことにより、宮崎大学の学生との交流を深めることを目的として、交流セミナーを行いました。

交流セミナー
交流セミナー

青海省畜牧獣医科学院は高地にあり、チベット高原が近いということから、宮崎大学では行われていないようなヤクやきのこの研究がされており、宮崎大学の学生も非常に興味を示していました。

帰国前日には、宮崎県内の視察に行きました。宮崎の名所である青島や鵜戸神宮、飫肥城の見学です。青海省畜牧獣医科学院は内陸部にあるため、海を初めてみた研究員もいたようで、海に囲まれた青島神社や海沿いにある鵜戸神宮にはたいへん感動していました。

宮崎観光

海岸沿いにある鬼の洗濯岩と呼ばれる波状岩が自然にできたものであることを伝えると、とても驚いていました。宮崎名物のチーズ饅頭やマンゴーソフトクリームを食べ、宮崎の食も体験できたようです。

今回、さくらサイエンスプログラムから御支援頂いたことで、宮崎大学と青海省畜牧獣医科学院の今後の共同研究の発展に関わる、非常に良い経験ができました。このような貴重な機会を与えていただき、心から感謝申し上げます。