2016年度活動レポート(一般公募コース)第172号
環境と調和した持続発展のための工学研究の視察
名古屋大学国際教育交流センター 教育交流部門からの報告
中国・同済大学より2016年10月17日~10月23日の日程で、学部生10名と引率教員1名を招へいしました。
参加学生が到着した初日にオリエンテーションとキャンパス・ツアーを実施し、また夜には歓迎会を行いました。
関係教職員や、プログラムをサポートしてくれた本学学生と参加学生の精神的な距離を縮めることができ、良いスタートが切れたように思います。
本格的にプログラムが開始した2日目は、本学内のノーベル賞受賞記念施設の視察を皮切りに、環境学研究科の研究室訪問、産学官連携で先端研究を進める拠点として運用されているナショナル・イノベーション・コンプレックス(NIC)内の施設見学、未来材料・システム研究所の研究室訪問が続く、あっという間の1日でした。
3日目はトヨタ自動車の工場見学にて、自動車組み立ての最新技術を学んでもらい、また水素自動車MIRAIの組み立て現場を見ることもかないました。
4日目は主に環境学を学ぶ学生と工学を学ぶ学生の2グループに分け、聴講する授業と訪問先の研究室を、それぞれの専門分野に合わせて準備した上で選択制としました。
例えば環境学を学ぶ学生は「環境産業システム論」という授業を聴講し、同授業を履修する大学院生と共に「水資源」について議論を行いました。
授業後に感想を聞くと、「活発な議論ができる授業スタイルが新鮮であったし、議論の内容も示唆に富んでいた」といった好意的な意見が寄せられました。
また、研究室訪問では学内の"N2U-BRIDGE" (実際に使用されていた高速道路のパーツから復元・建設した多様な劣化パターンモデルを有するモデル橋)にて、高速道路の劣化パターンや、高速道路の検査・修理方法について説明を受けました。
夕方には再度2グループが合流し、本学の「減災館」の施設見学へ行きました。
5日目は「持続可能性と環境学」の授業聴講、トヨタ自動車の元技術者である講師による特別講義、そして総合討論と続きました。
総合討論では、プログラム名ともなっている「環境と調和した持続発展のための社会環境工学・自動車工学研究の行方」というテーマで、10名の参加者全員が、それぞれの専門分野に沿った形で発表をしました。
トピックは、商品パッケージ、橋梁構造、リサイクル等々多岐に渡り、本学の大学院生や研究員にも討論に参加してもらい、鋭い質問と熱意のこもった回答の応酬が繰り広げられました。
同日夜にフェアウェルパーティーおよび修了証書授与式を執り行いましたが、どの学生も満面の笑みを浮かべていた様子が非常に印象的でした。
6日目には、本学学生との交流、および名古屋の文化に触れてもらう機会として、本学学生とともに名古屋城とトヨタ産業技術記念館へ行き、楽しいひとときを過ごしました。
そして翌7日目には、名残を惜しみつつ全員が帰国の途につきました。
限られた期間ではありましたが、プログラム修了後のアンケートにて、学生達にとって非常に学びの多い充実した1週間であった様子が伝わってきました。
貴重な機会をご提供いただきましたさくらサイエンスプログラムに、心より感謝申し上げます。