2016年度活動レポート(一般公募コース)第159号
核融合研究における実験・理論・炉工学に関する教育交流の促進
核融合科学研究所 森田繁さんからの報告
1.交流概要
核融合研究はその科学的実証をほぼ終了し、工学的実証を目指して段階的に研究の歩みを進めています。これに関連して、「高性能プラズマの長時間放電維持」に向けた研究が実験・理論・炉工学の分野において総合的且つ精力的に行われています。
今後少なくとも数十年にわたる研究の継続が必要であり、国際的な学生教育基盤形成の促進が非常に重要になっています。そこで、2016年10月23日から11月1日まで、中国科学技術大学大学院に所属する学生10名(他引率者1名)を日本に招き、日本の大学院教育・プラズマ実験・科学技術・文化等、幅広い交流を行いました。
2.交流報告
1日目
中部空港に到着し、核融合研究所(NIFS)COE研究員の黄賢礼氏が空港で出迎え、NIFS宿舎(ヘリコンクラブ)へ向かいました 。
2日目
午前はオリエンテーションの後、大型ヘリカル装置(LHD)装置の見学を行いました。
午後はLHD実験会合の場で各自5分程度のプレゼンテーション(自己紹介および将来の抱負)を行い、その後、LHDに関する紹介講義を受講しました。
また、プレゼンテーションの表記・内容・発表手法等、全員で検討し、次回へ向けて、改良策を議論しました。
3日目
プラズマ診断の講義を受講しました。午前はマイクロ波及びMHDに関する2講義、午後はプラズマ診断全般及びレーザー干渉計に関する2講義でした。
4日目
午前はプラズマ加熱(ECH及びNBI加熱)に関する2講義、午後はプラズマ理論・シミュレーション(MHD理論)に関する2講義を受講しました。
5日目
名古屋大学大野研究室訪問しました。
午前は挨拶、各自5分程度の改良版プレゼンテーション(自己紹介および将来の抱負)を行い、研究室の活動について2講義(装置紹介及び固体表面物理)を受講しました。
午後は複数の実験室を訪問し、説明を受けました。その後、ノーベル賞受賞記念館(理学部及び工学部)を訪問しました。
6日目
午前は核融合工学に関する2講義(材料開発及び核融合炉設計)、午後は不純物輸送に関する1講義を受講しました。
その後まとめ会合を行い、再度、プレゼンターション法・英語発表・将来の抱負等について討論しました。
世話人自宅に全員を招待し、共に夕食を囲みながら、日本の文化・習慣・歴史等について議論しました。
7日目
東京へ移動し、柏駅前のホテルに宿泊しました。
8日目
日本科学未来館を訪問しました。
9日目
東大・小川研究室を訪問しました。午前は、小川研究室の活動についての紹介や、核融合炉設計とプラズマ乱流理論についての講義を受講し、午後は各自5分程度の再改良版プレゼンテーションを行いました。その後、複数の実験室を訪問しました。
10日目
日暮里駅から京成スカイラーナーで成田空港へむかい、午後には無事上海空港到着した旨、連絡を受けました。