2016年度 活動レポート 第157号:岐阜大学教育学部および工学研究科

2016年度活動レポート(一般公募コース)第157号

解析用先端機器制御のための最先端ソフト技術体験

岐阜大学教育学部および工学研究科からの報告

岐阜大学では、超巨大な原子核である中性子星内に無尽蔵と言えるほど存在すると予想される超原子核の質量を計測し、中性子星の構造や冷却機構の解明を目指しています。

加速器を使ったこの超原子核実験に学部4年から参加し、卒業論文や修士論文のテーマとできるように研修を積み、共同研究として成長させることを目的に、ミャンマーの協定大学から10名の学生を招へいしました。

これにより、ミャンマーにおける基礎科学を実験面で進展させることができると期待しています。一方10名中の1名から、奨学金を獲得してぜひ本学に留学したいとの希望が寄せられました。

岐阜大学での研修(11月6日~13日、11月18日~11月26日)

実験の基礎に関する講義の後、ミャンマーの大学では容易に目にすることができない、大型検査顕微鏡に付随する先端機器と駆動ソフトに触れるとともに、顕微鏡で高速に取得した画像から超原子核を発見する解析ソフトを研修しました。

学生による実験講習
学生による実験講習
超原子核の講義

研修では、岐阜大学内にある大型検査顕微鏡6台中の4台を用い、ミャンマーからの4名の本学大学院生や日本人の6名の大学院生とともに、参加学生の研修を支援しました。

岐阜市科学館見学(11月13日)

岐阜市科学館前にて

東海村 日本原子力開発機構視察(11月15日)

日本原子力開発機構では、まず、原子力科学研究所の概要の説明を受けた後に、タンデム加速器、研究用原子炉(JRR-3)を見学させていただきました。

研究用原子炉(JRR-3)の説明

午後にはJ-PARCの概況説明の後に、物質・生命科学実験施設、ニュートリノ実験施設、ハドロン原子核実験施設、及び中央制御棟で説明を受けました。

物質・生命科学実験施設での中性子ビームラインの説明

研修生にとっては、すべてが初めて見るものばかりで、午前10時から午後4時まで疲れるどころか目を輝かせていました。

東海駅までの送り迎えをしていただきまして、機構のご厚意にはこの場を借りてお礼申し上げます。

日本科学未来館見学(11月26日)

日本科学未来館では、昨年と同様にロボット(ASIMO)の実演に釘付けとなっていました。吹き抜けのフロアーにある、大きな地球に映し出される地球環境の変化や展示にも興味を示していました。

日本科学未来館にて

ドリームシアターは午前と午後の二つのプログラムに参加しました。三次元に広がる太陽系から宇宙までの鑑賞は、研修生全員がはじめての経験で、興奮していました。

また、「ミャンマーの子どもたちにも見せることができれば」と感想を述べていました。入館料を免除していただき、この場を借りて未来館のご厚意にお礼申し上げます。

ぎふサイエンスフェスティバル2016視察(11月19日)

毎年11月に開催される「ぎふサイエンスフェスティバル2016」に、10名の研修生を招待しました。

この催しは、主に岐阜市内の小学生を対象に、岐阜大学・教育学部の理科教育講座の学部4年生の8つも含めて、 50のブースが出展しました。本年は約3000名を超す入場者があり、研修生もさまざまな実験を楽しむことができました。

地元学生と触れ合う研修生たち
地元学生と触れ合う研修生たち