2016年度 活動レポート 第151号:埼玉大学大学院理工学研究科物質科学部門

2016年度活動レポート(一般公募コース)第151号

先端分野の共同大規模実験を通した国際交流

埼玉大学大学院理工学研究科物質科学部門からの報告

さくらサイエンスプログラムの支援を受け、平成28年10月30日から11月8日までの10日間、カザフスタン・エネルギー省・原子核研究所の研究者1名と大学院生3名を受け入れました。

まず1日に、理研・仁科加速器研究センターの放射線取扱い講習・ネットワーク取扱い講習・加速器施設の見学を行いました。

理研RIBF棟の前庭にて

その後、仁科加速器研究センターで行われた実験「Ni同位体における中性子スキン厚」に参加していただきました。(分担は電子回路や放射線検出器の動作チェックなどを担当)

ビームラインに検出器をセットするMaulen氏
ビームライン(BIGRIPS)にて配線チェックをするKuk氏とZholdybayev氏

この実験は、反応断面積・荷電変化断面積を測定してそれぞれ物質半径と荷電半径をグラウバー理論計算援用して求めるというものです。

カザフスタンの他ドイツの重イオン科学研究所・日本の埼玉・新潟・大阪・筑波等の各大学から研究者や大学院生など総勢30名余りが参加した大規模実験でした。

実験は昼夜の別なく行われました。彼らの滞在中、加速器の運転状況は概ね良好でしたので58-78Niの長い同位体鎖について断面積データを取得する事ができました。

実験シフト中のAimaganbetov氏・左端

また彼らの滞在中にあった丸1日の加速器調整の合間を利用して、浅草寺見学・水上ボート体験・浜離宮庭園散策を行い、日本の文化に触れて頂きました。

受け入れ側の感想ですが、今回の交流活動は、基底(励起)状態のハロー・スキン構造の探索という観点から、双方にとって非常に有益だったと思います。

今回このような機会をいただいたことについて、JSTの方々に深く感謝しております。

感想1

Due to this program I enlarged my knowledge and got introduced to Japan culture and history. I'm very grateful to this exchange program and wish it further development.

感想2

Program was well organized. I am very satisfied to work with Japanese colleagues and students. They are so kind and open minded. I was glad to collaborate with them.

感想3

Hope to continue learning and working with RIKEN and Saitama University in near future.

実験中のティーパーティーの様子