2016年度 活動レポート 第148号:岡山大学環境生命科学研究科

2016年度活動レポート(一般公募コース)第148号

専門性を生かしたグローバル人材養成プログラム

岡山大学環境生命科学研究科 沖陽子さんからの報告

岡山大学大学院生命科学研究科では、農業・環境学分野において、アジア諸国と先進的かつ実践的な連携教育、並びに研究を進めています。

本プログラムでは、平成28年11月16日から21日までの6日間、カセサート大学(タイ国)・ソウル市立大学(大韓民国)・青島農業大学(中国)の大学院生を招へいし、岡山大学大学院生と共に、互いの研究発表を実施し、本学の先端農業・環境研究の紹介を通じて、専門性を生かしたグローバル人材の養成に努めました。

さくらサイエンスプログラムからは10名を招へいさせて頂きましたが、自費参加国と岡山大学院生と学部生を含めて総勢27名にて、プログラムを展開しました。

初日は移動日で、3カ国から各々のルートで岡山大学に集合しました。

岡山大学資源植物科学研究所訪問

2日目は、まずオリエンテーションにて本プログラムの説明をした後、午前中はキャンパス・ツアーを行い、環境理工学部学内水循環施設(ビオトープ池)や附属図書館内の施設を案内しました。

岡山大学附属図書館内にて歴史資料閲覧
学内水循環施設を視察

午後は、倉敷に移動して、本学附置施設である資源植物科学研究所を訪問しました。トムソン・ロイター社「高被引用論文著者(Highly Cited Researchers)」において農学分野で高い影響力を持つ研究者として選ばれた教授の研究紹介や、フィールド視察に、全員満足した様子でした。

3日目は、朝早くから夕方まで、附属図書館セミナー室にてJKTCセミナーを開催しました。本セミナーは、日本国(岡山大学)を含めて、各国から大学院生と教員がペアーとなって参加し、毎年、当番校を決めて輪番制で開催する国際セミナーです。

今回は11回目で、日本の岡山大学が当番校でした。「生物と環境との相互関係」というテーマで、各国の各大学から選抜された優秀なる大学院生の発表がなされ、座長も企画も学生が担当しました。

互いに座長役
熱心に質疑応答
全発表が終了して笑顔と満足で記念撮影

発表後は主に各国間の学生達で質疑応答を行い、その後、教員達がコメントをすることにより有意義な討論会となりました。

このように学生中心でセミナーを企画・実施し、発表する機会を得ることは、学生達の自主的な行動を育成し、専門分野のグローバル化へのモチベーションを高めることに大いに貢献することとなりました。

4日目、および5日目は、エクスカーションを実施しました。

まず、4日目は理学部附属施設である牛窓臨海実験所を訪問して、研究活動の紹介とフィールド視察を行いました。本実験所は平成23年より文部科学省認定「研究直結型」教育関係共同利用拠点として歩んでおり、先端バイオイメージング支援プラットフォームとして学際研究などのグローバルな連携を推進しております。

牛窓臨海実験所前にて記念撮影

大学院生には良い刺激を与えることになりました。

その後は、紅葉の美しい閑谷学校を訪問しました。江戸時代前期の寛文10年(1670)に岡山藩主池田光政によって創建された、現存する世界最古の庶民のための公立学校で、論語を教授する講堂で日本の文化を満喫しました。

閑谷学校の「カイノキ」前にて記念撮影

5日目は、我が国で富栄養化が進んでいる岡山県南部に存在する児島湖の現地視察を実施して、21世紀の水環境問題について、互いに議論を交わしました。

富栄養湖「児島湖」の説明を聞く学生達

本プログラムは、過去10年間において、タイ王国、韓国、中国並びに日本における大学院生達の若手研究の発表・討論会を通じて、ローカルな研究課題や問題をグローバルな感覚で共同連携するものとして継続されてきました。

参加者から、今回はかつてなかったほど、グローバルなプログラムであったと満足して、全員無事に6日間の日程を終えて帰路につきました。さくらサイエンスプログラムのご支援に感謝致します。

ウニとヒトデの観察に喜ぶ学生達