2016年度活動レポート(一般公募コース)第142号
国際的に活躍する女性研究者の基盤を育成する国際交流
ノートルダム清心学園清心中学校清心女子高等学校からの報告
この度、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、マレーシアのツン・フセイン・オン大学の大学生10名を招へいすることが出来ました。
本校では、琉球大学や沖縄科学技術大学院大学等と連携して、亜熱帯地域の自然環境について体験的に学ぶ研修を行っています。
本プログラムは、マレーシアの女子学生を招へいし、この研修を本校生徒と共に行うことを通して、互いの交流を深めるとともに、亜熱帯地域、ひいては沖縄特有の自然環境についての科学的理解を深めること、さらに、海洋生態系の保全の必要性、並びに持続可能開発についての共通認識をもち、国際的に活躍する女性研究者の基盤を育成することを目的としています。
1日目は、岡山県岡山市内のホテルで、本校生徒も参加してオリエンテーションや市内の植物園の訪問を行いました。
2日目から、沖縄県へと移動し、沖縄科学技術大学院大学で女性研究者による講義や、大学施設についての説明を受けました。
また、琉球大学熱帯生物圏研究センター瀬底実験研究施設では、サンゴについての講義を受けました。
サンゴは、生物学および、生態学の研究対象として大きな意味を持っていますが、それだけではなく、環境学、地理学、経済学など様々な視点でとらえることで、非常に多様な学問につながる生物であることを教えて頂きました。
さらに、実物のサンゴの観察やスケッチ、瀬底研究施設の近くの海岸でフィールドワーク(コドラート法を利用して、砂浜に棲む生物についての調査活動)を行いました。自分たちが暮らしている地域に生息する生物とは異なるものが多く、非常に興味関心を持ちながら活動を行っていました。
瀬底研究施設での研修が終了してからは、座間味島へと移動しました。まずは島内で森林調査を行い、森林がもつ二酸化炭素吸収能力について推定しました。
得られたデータから、森林がもつ二酸化炭素吸収能力を推定し、その後、日本やマレーシアにおいて排出されている二酸化炭素を全て吸収するためには、どれくらいの面積の森林が必要かについて算出しました。
その数値の大きさから、森林を保全することの重要性や、今の生活において二酸化炭素の排出を削減する努力が必要であることを感じ取ることができました。
その後、シーカヤックやシュノーケリングを通して、亜熱帯地域の海洋生態系について体験的に学びました。海水温の上昇により白化したサンゴも存在しており、地球温暖化による海洋生態系への影響についても学ぶことができました。
座間味島を出た後、沖縄こどもの国に向かい、学芸員の方から沖縄特有の動物について紹介して頂き、全日程を終了しました。
招へい者全員初めての訪日でしたが、日本の科学技術、自然、生態系、気候、文化等、様々なものに触れることが出来、非常に刺激を受けたとの感想を頂きました。このような機会を与えて下さったさくらサイエンスプログラムに厚く御礼申し上げます。