2016年度活動レポート(一般公募コース)第137号
低エネルギー・低炭素社会に向けた先端科学技術を学ぶ
電気通信大学客員教授 高橋謙三さんからの報告
さくらサイエンスプログラムの複数年度交流計画が採択され、国際インターンシップ派遣などで連携してきている、6か国7大学(ASEAN+インド)から書類審査とSkype国際インタビューにより選抜された学生10名を、2016年10月2日から8日の日程で招へいしました。
参加大学は、タイのモンクット王工科大学ラカバン校(KMITL)、ベトナムの国家大学科学技術大学(VNU-UET)、マレーシアのマルチメディア大学(MMU)、および国立サラワク大学(UNIMAS)、カンボジアの王立プノンペン大学(RUPP)、インドネシアのバンドン工科大学(ITB)、インドの国立科学技術大学(NIST)です。
選抜された学生の成績は各大学のトップクラスで、皆、向上心・積極性があり、礼儀作法を心得た、将来性豊かな若者ばかりでした。
渡航前研修として、全学生と本学をSkypeで11地点同時連結し、画面上で顔を合わせ、互いを知るようにするとともに、基礎知識と日本語・日本文化の理解を深めました。
交流計画のテーマは「低炭素・低エネルギーの将来社会に向けた先端科学技術の考え方と実際を学ぶ」です。
本学学生と招へい学生の交流を基軸に、代表的な研究センターや外部の関連研究機関の訪問、講義・研究室見学・研究者との意見交換を通して、我が国における先端科学技術への理解を深めて頂きました。
研修の概要は以下の通りです。
1日目:早朝成田到着、浅草で本学学生と交流し日本文化を体験、合宿先の八王子セミナーハウスでオリエンテーション
2日目:学長表敬、本学の教育・研究、留学制度、国際インターンシップの紹介、研究室見学(IoTに向けたトリリオン・センサ、先端レーザ科学、地球規模の電磁波観測)、日本語の基礎、本学学生による日本舞踊の鑑賞等学生交流
3日目:研究室見学(エネルギー低減を図る先端ワイヤレス技術、低炭素社会に向けた燃料電池、エネルギー変換素子・半導体ヘテロ接合)、コミュニケーションミュージアム見学等
4日目:播磨科学公園都市にある世界最大の大型放射光施設SPring-8、X線自由電子レーザ施設SACLA、BL36XUでのXAFSによる燃料電池触媒のリアルタイム構造解析研究状況を見学
5日目:神戸の理化学研究所計算科学研究機構(AICS)を訪問、大規模気候解析・予報に向けたデータ同化や地球規模のエネルギー節約などの研究紹介とスーパーコンピュータ「京」を見学
6日目:川崎の富士通研究所を訪問、センサネットワーク用環境監視、ソーシャルロボット等を見学、台場の日本科学未来館で地球環境、ASIMOなどの先端技術を体験、引き続き電気通信大学へ帰還し、阿部副学長からJST理事長署名入りの修了証書を授与
7日目:合宿先で研修を総括、電気通信大学にて学生交流、帰国の途へ
研修の総括では、招へい学生の一人一人が、さくらサイエンスプログラムに参加でき、将来の低炭素・低エネルギー社会に向けた我が国の先端科学技術を知る機会を得たことを感謝していました。
招へい学生とは帰国後も連絡を続けており、その多くが日本留学への期待をにじませていました。