2016年度 活動レポート 第132号:東京理科大学理工学部

2016年度活動レポート(一般公募コース)第132号

中国・昆明理工大学学生との日中交流プログラム―その2

東京理科大学理工学部からの報告

11月19日、20日は、日本の歴史を学び、また日本の農家に泊まって、日本の生活を体験してみるため、世界遺産に登録されている群馬県の「富岡製糸場」、ならびに長野県・小布施町を訪れました。

19日の午前中にまず「富岡製糸場」を見学しました。ガイドさんから、明治維新後の日本の工業化の代表でもある富岡製糸場の歴史の説明や、様々な建物、自動繰糸機、そしてガイドさんの掲げる写真に、皆、真剣な眼差しで注目し、説明を聞き入っていました。

富岡製糸場で説明を受ける学生達

特にフランスから技術者を招き入れ、その指導のもとで技術を導入しただけでなく、日本独自の自動繰糸機の実用化を果たした技術革新の歴史に感銘を受けた様子でした。

午後、小布施町の町役場で「まちづくり」の講師を務めていただく東京理科大OB、また、元小布施町役場職員でもある、現在国立信州大学の勝亦達夫先生と合流し、役場周辺を徒歩で案内していただきました。

小布施町では民家の間を仕切る塀などは極力作らず、また「オープンガーデン」と宣言された民家や小学校の庭は、誰でも自由に出入りすることができ、官民が一体となったまちづくりを取り組んでいます。

このような発想に昆明の学生たちは最初驚いていましたが、開かれた庭を渡り歩く間に、行きかう人々のにこやかな笑顔に触れるにつれ、小布施の虜になりました。

その後、町役場での小布施町の方々を交えた交流会で、昆明の学生達が故郷である昆明を小布施の方々に紹介するだけでなく、散策した小布施町の街並みについて感想を述べました。

交流会で小布施町市村良三町長とプレゼントを交換する

夕食会では、小布施町の市村良三町長もお忙しい中わざわざ来ていただき、そして小布施日中友好協会の方々やホームステイ家族を含め、小布施町の方々から、優美な小布施能や歌を披露して頂き、それに対し昆明の学生たちは民族音楽や手品で答え、美味しい食事を食べながら、拍手と爆笑の中で時間は過ぎていきました。

その晩、昆明の学生は、小布施町の民泊に分宿してホームステイし、それぞれ忘れられない体験となりました

20日の午前中には、小布施町日中友好協会の理事長で果樹園を経営する島田一郎様から、素晴らしいプレゼントがありました。林檎狩りをさせていただける事になったのです。

果樹園にて(写真中央は島田一郎様)

学生達は島田様から良い林檎の選び方を教わったのち、各々林檎を慎重に、大事に選別(1人2つ)し、その場で無農薬の富士林檎を美味しそうに頬張っていました。その後、有名な富嶽三十六景の木版浮世絵をはじめ、浮世絵師・葛飾北斎が晩年小布施町で描いた肉筆画、画稿、書簡など多数所蔵されている「北斎館」を見学しました。

小布施の旅は、日本の文化だけではなく、日本の風土、人情を学ぶ旅となり、皆大満足でした。後に行われたアンケートでは、全員が再び小布施を訪問したいと言っていました。