2016年度活動レポート(一般公募コース)第130号
日本の科学技術を通して国際交流の基盤を構築する
津山工業高等専門学校からの報告
10月8日から15日の日程で、シンガポール・ニーアンポリテクニクの学生9名、教員2名が、さくらサイエンスプログラムにより来日しました。ニーアンポリテクニクの学生は、電気系の学生と情報系の学生で構成されており、高専への訪問は有意義なものであったと考えられます。
学生たちは中国地区の島根県、広島県、岡山県から、兵庫県と広範囲に訪れました。
三瓶青少年交流の家の留学生交流シンポジウムでは、津山高専の学生だけでなく、中国地区の高専の学生と留学生、三瓶青少年交流の家に滞在している他の団体の方とも交流があり、有意義な体験となりました。また、出雲大社も訪れました。
広島商船高専では、学校長表敬訪問の後に広島丸(実習船)に乗船し、商船高専の説明を受け、船内を見学しました。その後、航海シミュレータを見学し、シミュレーションを体験しました。
ニーアンポリテクニクの学生は工学系の学生であったので、航海シミュレータについては関心が高かったと思われます。また、航海シミュレータの説明を広島商船に在学している留学生が行っていたことも、刺激になったと思われます。
津山での活動は2日間におよびました。初日午前に津山高専校長室の訪問、津山市長の表敬訪問を行い、昼食は津山の名物である「シイタケ弁当」をいただきました。
午後にパナソニック(株)AVCネットワークス社津山工場を見学しました。日本の先端的なものつくりを見学する機会となりました。
その後、津山高専学生会との学生交流として電動餅つき機で餅をつき、学生同士の交流を図りました。
2日目は研究室訪問を行いました。電気系の研究室と情報系の研究室を見学し、どのような研究をしているかの説明を受けるとともに、学生と一緒に授業に参加しました。これは、津山高専の学生にとっても、英語で研究を説明する良い機会になりました。
放課後は、茶道部を訪問し、茶道体験をしました。日本文化に触れる機会になったとともに、津山高専の学生にとっては茶道という文化を英語で説明する良い機会になりました。
その後、津山高専学生会の主催でFarewell partyを開催しました。そこでは手巻き寿司、岡山県産のブドウなどを準備しました。ニーアンポリテクニクの学生との2回目の交流ということで、かなり学生間の交流が深まったようでした。また、ブドウについてもシンガポールにない大きさの粒、味に驚いていました。
津山滞在後、バスで神戸市へ移動し、津山高専と交流協定を締結している兵庫県立大学(神戸情報科学キャンパス)を訪問し、3次元立体投影などを体験しました。引き続き、理化学研究所でスーパーコンピュータ「京」を見学しました。
その後、神戸市内を自由行動で散策し、新幹線にて品川に移動しました。日本の鉄道を体験する機会はこのときだけでしたが、新幹線に高い興味を示していました。これも一つの日本の科学技術を体験する機会となりました。
今回の訪問はバス移動の多いスケジュールでしたが、日本の科学技術体験、学生との交流、文化体験と非常に充実した内容であり、満足度も高かったと思われます。
東京と違い、地方では科学技術に関する施設、文化施設の距離が離れていることを考えると、様々な体験をしてもらうにはどうしても移動が多くなってしまうことについて、何らかの対応が必要であると感じました。
このシンガポール学生の来日後の12月17日から21日まで、香川高専、米子高専、広島商船高専、津山高専の学生が、「合同研究発表会in Singapore」という津山高専主催の行事において、ニーアンポリテクニクで現地の学生との発表会を行い、さくらサイエンスプログラムを利用して訪日した学生がホストとして歓迎をしてくれました。
ニーアンポリテクニクと本校および中四国の高専との学生間の交流が醸成され、相互交流の実現にまた一歩近づいたように思いました。