2016年度活動レポート(一般公募コース)第129号
アジア情報技術先進国の最先端技術を学ぶ
熊本高等専門学校からの報告
熊本高等専門学校では、平成28年10月13日から20日までの8日間、本校提携校のひとつである、シンガポールテマセクポリテクニックで学ぶ、17歳から18歳の学生10名と引率教員1名の計11名を、さくらサイエンスプログラムの支援により招へいしました。
参加学生はインフォマティクス(情報学・情報処理・情報システム・情報科学といった分野の周辺ないし関連分野)を専攻する学生で、近年盛んなIoT(Internet of Things)/ M2M (Machine to Machine)の活用、ロボット新戦略、第 4 次産業革命(Industrie 4.0)や、フィンテック(情報技術を駆使して金融サービスを生み出したり、見直したりする動き)などに関する研修と、本校学生との技術交流を行いました。
プログラムの期間前半は、熊本高専の専攻科生による研究発表の聴講や、研究室見学し、技術交流に取り組みました。
電波暗室や無響室といった本校の特色ある研究施設を見学し、画像処理技術、ロボット制御に関する研究内容紹介や、様々な分野での研究発表、紹介を通じて、本校の学生が取り組む研究技術について関心を深めました。
訪問期間中の週末には、より年齢の近い本科生も交えてチームを作り、LEGOマインドストームを利用したロボットコントロールを中心とする技術ワークショップに取り組みました。
各チームともセンサー位置の配置場所など、ロボット形状や制御プログラムを工夫し、二日間のワークショップの最後には、各グループが作成したロボットの特徴を紹介して、競技形式で走行デモンストレーションを行い非常に盛り上がりました。
熊本県では本年4月に発生した熊本地震の影響によって、再建復興途上の企業が多いこともあり、期間の後半は、活動の場を福岡に移して企業見学等を実施しました。
安川電機みらい館様では展示館やロボット製造工場見学、富士通九州システムズ様への訪問ではIoT/ M2M技術、さらに福岡銀行様では、金融におけるIT技術に関するセミナーを受講しました。
日本の誇る最先端のロボット技術、IoT技術を利用した取り組みやビジネスソリューションモデル、フィンテックなどの最新技術に触れ、我々の仕事や生活がこれまでとは大きく変化し、さらなる成長加速に向けたITの積極的な活用が重視されていることを強く実感したようです。
参加学生の中には、インターンシップ受け入れの可能性など将来来日したい気持ちも含めて、積極的に質問する姿が見られました。
帰国前日には九州大学大学院を訪問し、システム情報科学研究院内田誠一教授に、パターン認識の最新の技術動向等についてご講演いただき、内田教授のヒューマンインタフェース研究室、さらに倉爪亮教授の実世界情報ロボティクス研究室も訪問させていただきました。
両研究室のみなさんが研究内容や大学についても親身に説明してくださいました。
未来ある若い学生達に日本の最先端技術に触れてもらうことができ、また本校学生にとっても本プログラムは国際交流のよい機会となりました。
貴重な機会を与えていただいたさくらサイエンスプログラムはもとより、本プログラムの実施に関わってくださった皆様に、心より御礼申し上げます。