2016年度活動レポート(一般公募コース)第124号
最先端の植物バイオテクノロジーを用いた解析技法を学ぶ
埼玉大学大学院理工学研究科からの報告
平成28年9月26日(月)から10月16日(日)、埼玉大学大学院理工学研究科では台湾中興大学、成功大学よりそれぞれ1名ずつ大学院生を迎え、さくらサイエンスプロラムを行いました。
このプログラムは、本学で行われている優れた植物バイオテクノロジーであるCRES-Tラインを用いた解析技法を学習してもらい、派遣終了後も継続して共同研究を実施・推進することを目的としています。
本学・大学院理工学研究科での実験の他、つくば地区にある多くの研究機関へも訪問し、交流を深めることが出来ました。
日本での3週間の滞在中、第1週目と3週目は、埼玉大学の高木研究室で、植物の網羅的転写制御因子発現抑制ラインCRES-Tを用いた植物転写制御機構解析技術の習得を目指し、積極的に実験に参加しました。
特にシロイヌナズナ転写因子キメラリプレッサーを用いた変異体のスクリーニングについて深く観察しました。高木研究室ではセミナーも行い、学生間で活発なディスカッションも行いました。
又、2週目には、日本の最先端の研究機構が集まる茨城県つくば市に足を延し、複数の共同研究先を訪問しました。
10月5日は、筑波大学遺伝子実験センターを訪問。王寧助教がトマトのマイクロトム突然変異系統について説明して下さり、台湾の学生達は矮性小型品種トマトに非常に興味を示していました。
7日の午前中は、つくば市にある野菜花き研究所の八木主任研究員を訪問し、野菜花き研究所で行われている数々の研究内容について、紹介して頂きました。研究についての意見交換を行った後、八木主任研究員は温室を案内しながら、温室で行っている研究についても説明して下さりました。
午後は国立研究開発法人国際農林水産業研究センター 生物資源・利用領域の永利研究員を訪問し、環境ストレス耐性の大豆の栽培を見学しました。
5日の午後から10月11日は、産業技術総合研究所の生物プロセス研究部門の光田主任研究員を訪問し、改良型yeast-one/-two hybridの実験を行ったほか、CRES-Tライン種子保存庫についても見学を行いました。また、酵母ワンハイブリッドシステム及びUPLC実験についても見学、説明をして頂きました。
滞在中の第1週目、2週目の週末は、それぞれ日本科学未来館と国立科学博物館を訪問しました。学生達は、ロボット等の日本の最先端技術に触れ、興味津々でした。
今回、台湾から埼玉大学を訪問した2名は、日本での3週間の滞在を通じて、研究や実験技術の習得はもちろん、日本人研究者、学生との交流、文化に触れ、多くの収穫を得ることが出来ました。
台湾の学生は、和食を堪能したのは言うまでもなく、日本独自の文化について多くの新たな発見をし、沢山の思い出を作り、帰国の途につきました。今後は埼玉大学の学生が台湾中興大学、成功大学を訪問し、更なる共同研究を推進することも計画中です。