2016年度活動レポート(一般公募コース)第108号
学都石川で最先端の研究開発を学ぶ
石川県(学都石川国際発信実行委員会)からの報告
2016年10月23日~29日の約1週間、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、タイの高校生15名と教員1名の計16名を石川県に招へいしました。
招へいの目的は、石川県内の理系大学や研究機関の最先端の研究や研究施設などを紹介し、将来の石川県内の大学・大学院への留学などによる来県を促進することです。
招へいする高校生の選定にあたっては、タイ教育省基礎教育委員会と連携し、タイ全土から、日本政府奨学金留学生の応募者が多い優秀な学校9校を選定し、各校から日本に留学希望がある1~2名を選抜しました。
10月23日、小松空港に到着し、四高記念文化交流館でオリエンテーションを行った後、兼六園や金沢城を見学し、県観光物産館で和菓子作りを体験しました。
24日は、金沢工業大学と中村留精密工業(株)工場を訪問しました。金沢工業大学では、ライブラリーセンターなどのキャンパス施設や、2013年に世界一となったロボコンを始めとする、ソーラーカーや小型無人飛行機制作など、学生自主プロジェクトの拠点である夢考房を見学しました。中村留精密工業では、複合加工機の製造工程などを見学しました。
25日は、コマツ粟津工場と北陸先端科学技術大学院大学を訪問しました。コマツ粟津工場では、省エネやバイオマス発電などにより、購入電力量を従来から90%以上削減した、最新鋭の工場を見学しました。北陸先端科学技術大学院大学では、スーパーコンピューターの見学や3D眼鏡を使った三次元仮想現実体感システムを体験しました。
26日は、石川県立大学と金沢大学を訪問しました。石川県立大学では、物質生産のための遺伝子工学、農業生産のための植物病理学などについて学びました。金沢大学では、超微弱な電波を検出する高精度電波センサや医用生体工学、原子間力顕微鏡(AFM)と呼ばれる原子スケール計測技術などについて学びました。
27日は、日本航空学園を訪問しました。途中、日本で唯一砂浜を自動車で走ることができる千里浜なぎさドライブウェイを通り、砂浜の浸食防止の取組みについて学びました。
日本航空学園では、航空機整備やエンジン組み立て実習施設などを見学し、実際に航空機の設計に使われているソフトCATIAを使って、航空機の設計を体験しました。また、タイからの留学生と交流し、学校のカリキュラムや日本での生活などについて話を聞きました。
28日は、第1回アジア生物文化多様性国際会議に参加しました。ユースセッションでは、同年代の高校生や大学生と生物文化多様性について議論し、全体会合の場において、さくらサイエンスプログラム参加者のヨッサウィー・リースラポンさんが議論の結果を発表しました。国際会議終了後、修了式を実施し、翌日タイに帰国しました。
今回来日した高校生たちが石川県で学ぶことの魅力を感じ、将来海外留学する際に石川県を選んでくれることを願っています。また、最後にこのような貴重な機会をいただいたことに対し、さくらサイエンスプログラムならびに関係者の皆様に深く感謝いたします。