2016年度 活動レポート 第107号:首都大学東京

2016年度活動レポート(一般公募コース)第107号

メガシティーを守る河川管理技術の最先端を学ぶ

首都大学東京からの報告

首都大学東京はフィリピン共和国のフィリピン大学ロス・バニョス校およびセント・ラサール大学との交流事業「メガシティーを守る河川管理技術の最先端を学ぶ」を実施しました。

写真1
大学正門で集合写真

本プログラムは2015年にスタートし、今年度の実施期間は2016年10月29日から11月6日までの9日間です。フィリピン大学から水資源・土木の各学科から5名の学生、および教員1名が、ラサール大学からは生物・電気工学・経済の各学科から5名の学生が来日しました。首都大学東京では都市環境学部都市基盤環境コース、理工学系生命科学コース、システムデザイン学部情報通信システムコースの3部局が協力してプログラムを実施しました。

写真2
都市基盤環境コースにて現場型水質計測装置を見学

10月30日にプログラム開会式とキャンパスツアーを実施しました。31日には学長・学部長を訪問し、ラボツアーの後にウェルカムパーティーを開催し、首都大生、留学生や外国人教員などと共に交流を深めました。

写真3
ウェルカムパーティー

ラボツアーは10月31日から11月2日まで実施し、都市基盤環境コースでは水環境、土質、鋼構造、コンクリート、海岸、水理の各実験室を見学しました。生命科学コースでは、ニワトリの胚発生、植物の発生、シアノバクテリアの遺伝子操作、酸素非発生型光合成細菌の色素分析などを体験しました。情報通信システムコースではレーザーリモートセンシング、ウェブインテリジェンス、浸水害解析などの技術を見学しました。

写真4
生命科学コースにてニワトリの胚発生実習
写真5
情報通信システムコースにてウェブインテリジェンスの見学

参加者は「自分の大学には高度な実験・研究設備がなく、基礎的な教育しか受けられないので、首都大生がうらやましい。」と一様に述べていました。それを聞いた首都大生が日本の良さに気づいたことも成果でした。

11日3日と4日は国土交通省のご協力により、八ッ場ダム建設現場と利根川ダム統合管理事務所を見学しました。参加者は大規模な工事現場を見たことがなく、安全管理の行き届いた現場に、大型の建設機械が縦横無尽に動き回っている様子を見て、驚いていました。

写真6
八ッ場ダム建設現場、骨材運搬用トンネルにて
写真7
利根川ダム統合管理所の情報管理室にて

現場見学の後は、伊香保温泉に宿泊しました。温泉街では和服姿の方を見かけ、紅葉の綺麗な場所で一緒に記念撮影してもらいました。ハイテクと伝統文化が共存している我が国の様子に、感銘を覚えたようです。

写真8
紅葉の綺麗な伊香保温泉にて記念撮影

最終日には大学祭に合わせて成果発表会を開催し、学生および一般の方にも聴講してもらいました。そして、首都大学東京上野学長がプログラム修了証を授与しました。さらに、各大学では帰国報告会を下級生向けに開催し、次年度の選抜に向けて学生の意欲が大いに高まったとのことです。

写真9
最終発表会での質疑応答

参加者は日本の科学技術、大学の教育研究システム、清潔で安全な都市システム、食事や伝統文化などの様々な面に感銘を受け、この経験を将来に生かしたいとの思いを強くしました。また、修士課程への留学をその場で相談されましたので、急遽、希望する指導教員との面談をセットするなど、直接的効果も生まれました。

本プログラムを助成してくださった、さくらサイエンスプログラムに感謝すると共に、今後も、首都大学東京とフィリピン大学およびセント・ラサール大学の交流事業を推進してゆきます。

写真10
修了証を持ってジャンプ