2016年度活動レポート(一般公募コース)第106号
シンガポールと日本の水事情から世界の水問題を考える
早稲田本庄高校からの報告
2007年度より開始された、Singapore National Junior Collegeとの交流プログラムは今年度10年目を迎えます。10周年記念ともいえる今年度のプログラムは、さくらサイエンスプログラムの支援のもと、実施されました。このプログラムのテーマは「シンガポールと日本の水事情から、世界の水問題を考える」です。
10月24日(月)午前中に成田空港に到着し、午後から科学みらい館を見学しました。
25日(火)は早稲田大学創造理工学部社会環境工学榊原研究室訪問し、水汚染とその対策技術に関する説明を受けた後、研究室を見学しました。
続いて訪問した東大大学院総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系松田准教授研究室では、"Which is right?"というテーマの講義を受けました。宇宙人にも通用する「右」と「左」の定義を考えようというユニークな内容でした。その後、キャンパスツアー・研究室見学を行いました。
26日(水)には歓迎および交流十周年記念式典が行われました。10年間の思い出ムービーの後、両校紹介、新しいMOU(交流協定)に調印し、両校教員・生徒代表があいさつを行いました。
その後、本校河川調査班、および有志と一緒に、藤田小学校との合同河川調査に参加しました。シンガポールでは河川に触れる機会は全くないとのことで、川に胴長を着て入るのも、水生生物に触れるのも初めてとのことでした。小山川・元小山川の2河川を比較調査しました。
27日(木)は共同研究ミーティングの後、ヤマキ醸造を訪問しました。醤油作りの技術と工程の講義の後、実際に醤油作りのワークショップを実施してもらいました。特に、日本の豊かな良質の地下水環境が日本の醸造文化発展に大きな影響を与えていることが強調されていました。
夕方には軽井沢セミナーハウスへ移動しました。
28日(金)午前中から 群馬自然史博物館見学し、午後にはサンデンフォレストへ向かいました。 (株)サンデンは、荒地だったこの場所での工場を設立する際、ビオトープなどの生物保護環境を配置するなど、自然との共生を目指している会社です。会議室での企業紹介と自然共生の取り組み説明の後、工場およびフォレストを見学しました。
10月29日(土)共同研究につづいて、両国の水事情に関するミニシンポジウムが開催され、双方から、両国の水事情について発表されました。
シンガポール側からは「水道水・工業用水の構成がマレーシアからの輸入・雨水海水からの精製水・下水からのNEWaterの3種類あること。自給を目指していること。節水に取り組んでいること。」
日本側からは「古くから川や地下水を生活用水や輸送移動、醸造などに使っており、水に親しんでいること。水は無尽蔵にあるタダのようなものと思われていること。」の紹介がなされました。
両国の「水」に対する把握の違いが明らかで、非常に興味深い内容になりました。その後、質疑とディスカッションも行なわれました。
午後からは共同研究のまとめ作業に取り組みました。
30日(日)はそれぞれのホストファミリーと一緒に行動しました。
31日(月)午前中、授業に参加した後、共同研究成果発表を行いました。続けて行われた閉会式では、さくらサイエンスプログラムのCertificateと記念バッジが授与されました。
午後、6名の生徒および1名の教員は、長瀞で荒川による浸食地形見学の後、羽田空港へ向かい、他の3名の生徒および1名の教員は京都で開催予定の高校生科学国際シンポジウムに参加し、共同研究成果を発表しました。