2016年度 活動レポート 第98号:宮崎大学

2016年度活動レポート(一般公募コース)第98号

環境保全と健康維持に関する体験学習を通した交流プログラム

宮崎大学からの報告

2016年度のさくらサイエンスプログラムに採択され、中国・重慶理工大学の学部生5名、大学院生3名、教員2名と引率教員1名の計11名が9月7日から16日の10日間、体験学習を目的として宮崎大学を訪問しました。引率者1名以外の皆さんは初来日で、ほとんどは外国訪問が初めてでした。

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宮崎大学正門前

実施計画は、資源、環境、エネルギー、健康と福祉、をキーワードとして組み込み、研究体験、工場見学、日中シンポジウムを通して実施されました。学習の合間を利用して、田舎暮らし体験、茶道体験、日本神話にも触れ、庶民の暮らしと日本の文化への理解を図る内容も含まれています。

研究体験では、工学部機械設計システム工学科の各研究室に2〜3名の来日者を配属し、太陽光・熱の利用技術、省燃費エンジン、流れと宇宙推進装置、廃棄物を利用したエコ材料、低振動機械装置などの研究について、教員と学生からの詳細な説明を聞き、先端から実用技術までの研究内容を理解しました。

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研究室1
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研究室2
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研究室3

特に、日照時間が全国有数である、宮崎県の地の利を利用した、追尾・集光型太陽光発電システムとビームダウン式太陽熱利用システムなど、最新の再生可能なエネルギーの利用技術に関する見聞を広げることができたと思います。

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実験の様子

医工連携による福祉関連技術の開発に関しては、三次元動作測定・解析システムを体験しました。来日者が、運動の測定や、実際に歩行補助ロボットの着用をすることにより、医療介護における機械工学とロボット工学の役割を知ることができました。

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三次元動作測定・解析システムと歩行支援ロボットの着用体験1
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三次元動作測定・解析システムと歩行支援ロボットの着用体験2
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三次元動作測定・解析システムと歩行支援ロボットの着用体験3
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三次元動作測定・解析システムと歩行支援ロボットの着用体験4

工場見学では、南国興産(株)において、肉処理工場からの廃棄物を分離して飼料と肥料に加工する技術、鶏糞を燃焼させて発電する技術を見学しました。きれいな仕事環境で、匂いがほとんど気にならないことに、とても驚いた様子でした。燃焼の制御や環境への配慮などに関して積極的に質問し、見学時間を大幅にオーバーしました。

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南国興産株式会社と八丁原地熱発電所の見学1
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南国興産株式会社と八丁原地熱発電所の見学2
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南国興産株式会社と八丁原地熱発電所の見学3

八丁原地熱発電所では、地熱発電の仕組みやメリットについての説明を受け、マグマからの熱の取り出しから発電と排水処理までの設備を見学しました。その後、地上に湧き出した熱泥(地獄)で自ら温泉卵を作りました。地熱の利用の初体験に、感動していました。

  
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南国興産株式会社と八丁原地熱発電所の見学4
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南国興産株式会社と八丁原地熱発電所の見学5
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南国興産株式会社と八丁原地熱発電所の見学6

宮崎滞在の最終日に、日本人学生とのシンポジウムも開催しました。テーマは次の3つです。
①自国のエネルギー供給と消費の現状の未来
②廃棄物(ゴミ、人畜の排泄物)の処理と利用
③資源と環境を考慮した物づくり

来日者と宮崎大学工学部機械設計システム工学科専攻の学生から、各3チームによる研究発表を行いました。各グループとも2ヶ月前から学習会や準備会議を開き、綿密に準備していました。両国の事情を互いに紹介し、発表と質疑討論には予想以上の盛り上がりが見られ、学生の交流を深めることができました。

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日中学生によるシンポジウム1
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日中学生によるシンポジウム2
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日中学生によるシンポジウム3
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日中学生によるシンポジウム4
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理工大学での学生と教員向けの報告会1
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理工大学での学生と教員向けの報告会1

日本人の田舎暮らしも体験しました。4グループに分けて宮崎県小林市の農家に宿泊し、水田の草取り、野菜の植え付け、田舎料理づくりなど様々な農作業を体験し、日本人との草の根の交流が実現できました。日本文化の体験では、宮崎市の市民ボランディア、姫の会の協力を得て、浴衣を着て、お茶の入れ方と飲み方を亭主とお客になり、体験しました。

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日本の田舎暮らしと日本文化の体験1
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日本の田舎暮らしと日本文化の体験2
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日本の田舎暮らしと日本文化の体験3
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日本の田舎暮らしと日本文化の体験4

教育体験においては、「環境と資源を考慮した機械設計と発明」「問題解決のための思考プロセス」をテーマに、学部と大学院の講義の各1コマを受講しました。
「環境と資源を考慮した機械設計」では、材料の生涯とリサイクルの手法、および、材料や部品を考慮した機械設計の具体的工夫を学び、「発明問題解決のための思考プロセス」ではTRIZの紹介と、理想な技術システムの実現や、システムの矛盾を克服する手法、物質、場の分析などを学びました。

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環境と資源を考慮した機械設計と発明問題解決の思考のプロセス1
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環境と資源を考慮した機械設計と発明問題解決の思考のプロセス2

来訪者は帰国後、教員と学生に対して報告会を行い、このプランで学んだこと、感じたこと、日本の社会や日本の文化および来日期間中に出会った人々について発表しました。日本に対する関心を高めることができたのではないかと実感しています。

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日本の田舎暮らしと日本文化の体験