2016年度活動レポート(一般公募コース)第90号
環境問題の改善に貢献する人材を育む交流プログラム
大阪府立大学現代システム科学域からの報告
さくらサイエンスプログラムの支援を受けて、ベトナム国家大学ホーチミン校科学大学から研究者3名、大学院生2名、学部生5名の計10名を招へいし、2016年10月27日から11月5日の10日間、環境科学、環境モニタリング、環境再生などの研修を行いました。
1日目の早朝に日本に到着した研修生は、飛田国人准教授の案内のもと、午後から本学の植物工場研究センターを訪問し、完全人工光型の栽培方法などを学びました。
2日目は、藤田渡准教授からの生態資源利用に関する講義と、興津健二教授から水処理に関する実験の指導を受けました。夜には歓迎会を催しました。
3日目は、海遊館にて生物多様性とその生息環境を学びました。また、科学に関する興味をより高めるために、大阪市立科学館のを見学を行いしました。研修生によると、ベトナムの教育施設は文字のみによる展示ばかりであるため、科学館に豊富に設置されていた、体験型の展示方法はとても効果的だと興奮した様子で話してくれました。
4日目は、竹中規訓教授から、本学が特許を取得しているバイオディーゼル燃料に関する講義を受けました。その後行われたサラダオイルからバイオディーゼル燃料を精製する実験では、精製した燃料を用いて、実際に発電機を動かしました。
5日目は、黒田桂菜助教からメタンガス発酵に関する講義を受けました。午後には大阪市立環境科学研究所を訪問し、公衆衛生の向上に寄与するための研究環境と分析技術、研究者の取り組み姿勢に触れました。
6日目は、少し早いのですが、学長から修了証が授与されました。研修生はベトナム伝統のアオザイとスーツに身をつつみ、研修の総括にふさわしい場となりました。また、昼食時には日本料理とベトナム料理によるランチパーティーを催し、日越の学生交流を行いました。
7日目には、環境分析や環境インフラの維持管理を専門とする、滋賀県の(株)日吉を訪問しました。ベトナムで事業をするには技術者が不足しているため、環境分析技術をぜひ身につけてもらいたい、というお話もしていただきました。その後、琵琶湖博物館を見学し、琵琶湖のなりたちや、琵琶湖と人の生活のかかわりを学びました。
8日目には京都を訪れ、多くの自動車による市街地の交通渋滞と大気汚染の様子を視察しました。四条通りの歩道が、歩行者に優しく歩いて楽しいまちづくりをするために、拡幅されていることなども学びました。
9日目は本学の学園祭「白鷺祭」で、屋台で提供されている食べ物に使われている容器を、環境活動サークルが分別回収している様子を視察しました。
短い期間ではありましたが、科学技術と人の交流の両面において有意義なプログラムを実施することができました。このような貴重な機会を与えていただいたさくらサイエンス、およびプログラムにご協力いただいた全ての方に、心より御礼申し上げます。