2016年度活動レポート(一般公募コース)第88号
日越の医療・福祉協力に向けて未来医療ロボティックスを学ぶ
高崎健康福祉大学からの報告
平成28年10月26日から11月4日までの10日間、ベトナムホーチミン医科薬科大学学生10名、教員1名が本学を訪れ、さくらサイエンスプログラムのプログラムを実施しました。ホーチミン医科薬科大学はベトナムを代表する医療系の大学で、本学と共通の学部学科を多数有しています。
テーマに沿い実施された本プログラムは、最新の支援ロボット開発や実用に関する講義、施設訪問など盛りだくさんの内容でした。活発な質疑が行われ、熱心に学ぶ姿勢がとても印象的でした。
10月28日は、支援ロボットの開発と研究で有名な、千葉工業大学富山教授からの特別講義を受講しました。最新技術を使った介護者とロボットの協働を目指して、福祉分野における科学技術の開発に携わる富山先生の、熱心な講義に皆感銘を受けていました。
30日は休日を利用して県内視察を行ないました。雨季と乾季しかないホーチミンの学生にとって、日本の秋は格別のようです。日本の里山を散策し甘いりんごをほおばり、本学の学生とも大いに交流する一日となりました。
31日には、介護ロボットに関するプレゼンテーション、デモストレーションが行われました。
支援機器「HAL」、セラピーロボット「パロ」、会話支援機器コミュニケーション・サポートシステム「コミューン」、自動排泄処理ロボット「マインレット」といった、最新技術を取り入れた介護機器の実用について講義を受けるだけではなく、実際に装着したり、機器に触れたりしながら学びました。将来、少子高齢化を迎えるベトナム社会にとっても課題となる、介護や福祉について考える機会となりました。
11月2日は群馬県の社会福祉総合センターを訪問し、最新の介護機器の展示の説明を受け、義肢制作所を見学しました。利用者のために工夫された、made in Japanの介護機器に興味津々で、予定時間をオーバーするほどでした。
学生間の交流が活発に行われたことも、今研修の特徴です。日本人学生宅でのホームステイでは、互いの国の料理を教え合ったりスポーツをしたりと、各々が友情を深め、夜遅くまで語り合ったようでした。
短期間ながら、双方の学生にとって、かけがえのない時間を共有できたことは、学術的なプログラム内容に留まらず、互いの文化を知り、理解し合う人と人とのつながりを学ぶ機会にもなりました。招へい学生からは是非このような素晴らしいプログラムを継続してほしいとの声が多く、今後も両大学の交流を深めていきたいと思います。