2016年度活動レポート(一般公募コース)第87号
日本の先進的ヘルスケアシステムを学ぶ
岡山大学からの報告
平成28年9月25日(日)から10月1日(土)までの1週間、協定校であるヤンゴン看護大学(UNY)から、若手教員5名を岡山大学へ招へいしました。初日と最終日は移動日ということで、岡山城を見学し、郷土料理(まつり寿司)をいただきました。
2日目
岡山大学初日にあたるこの日には、津島キャンパスにおいて学長を表敬訪問し、キャンパスツアーを体験しました。
午後は、医学系学部がある鹿田キャンパスに移動し、「日本における保健・医療・福祉制度と健康課題」と題した保健学科教員による特別講義を受けました。
3日目
午前中は、医療教育統合開発センターにおいて、最新シミュレータを用いた医療手技を体験してもらいました。この日は医学生向けの教育内容を見学し、実技演習しました。
午後からは、岡山県看護協会を訪問し、協会長と教育センターの理事により、組織体制や活動内容などについて説明を受けました。自国では未だ看護職の専門職能団体としての組織化はなされていないようです。
4日目
日本の公衆衛生について理解をしてもらうため、岡山県備前保健所を訪問しました。岡山県に今も根付いている住民組織活動、愛育班からの説明を受け、日本におけるヘルスケアシステムについて、歴史から理解してもらいました。
午後からは、UNYにおいても開講したいと希望されている「高度実践看護師」の育成について、当保健学科担当教員から特別講義を受けました。
5日目
3日目に演習してもらった最新シミュレータを用いた医療手技は、医学生向けの教育内容だったのですが、今回は、同じく最新シミュレータを用いた医療手技の、看護学生向けの教育内容を体験してもらいました。医学教育と看護学教育で各々大事にしているものを理解する、よい機会となったようです。
午後からは、岡山大学の附属病院を訪問しました。ミャンマーでは、重症患者の救命が重要課題とされています。そのため、救急救命ユニット、手術室などを重点的に見学すると共に、周術期看護(入院、麻酔、手術、回復といった、患者の術中だけでなく前後の期間を含めた一連の期間の看護)の専門看護師、がん看護外来の認定看護師による特別講義も受けました。
6日目
保健学科を構成する、放射線技術科学、検査技術科学、看護学の各専攻長により、教育および研究内容について特別講義を受けました。午後からは、1年次保健学科全専攻学生がこの夏までに履修した科目「チーム医療演習」の、海外渡航班による発表会に参加しました。また、その場を利用し、招へいメンバーによる、UNYの教育システムや内容についてのプレゼンテーションも行われました。
参加者は、自国の看護実践内容、教育内容を早く先進国に近づけたいとの思いから、全てのプログラムに非常に熱心に取り組みました。その真摯な態度、熱心な姿に、受け入れた全ての日本人が刺激を受けました。これからも、教育、研究に幅広く、そして末永く続く関係が構築さていくことを実感した1週間でした。