2016年度 活動レポート 第82号:関西大学

2016年度活動レポート(一般公募コース)第82号

次世代ハードディスクドライブにおけるトライボロジー技術を学ぶ

関西大学からの報告

関西大学では、さくらサイエンスプログラムに採択され、2016年10月31日から11月6日までの7日間、中国の清華大学から大学院生6名、PD1名、教員1名の計8名を招へいし、日本の科学技術を体験するプログラムを実施しました。

本プログラムは、本学の有する先進的ハードディスクドライブ(HDD)技術や、マイクロ・ナノトライボロジー技術(潤滑、磨耗、摩擦など、二つの表面の間におこるすべての現象を対象とする技術)などを中心とした研究成果を紹介し、次世代ハードディスクドライブにおける最先端トライボロジー技術の実習を行うとともに、関西の世界的研究施設や大企業への訪問を通じて、招へいする学生たちのトライボロジー技術のさらなる理解を深めること、そして日中学術研究教育連携の発展を目指すことを目的としています。

初日には、システム理工学部の多川則男教授を中心に、本学千里山キャンパスにおいてウェルカムミーティングを行った後、キャンパス内の施設や機械設計研究室の見学、および同学部の谷弘詞教授、小金沢新治教授によるトライボロジーに関する講義が行われました。同日夕方にはウェルカムパーティーを開催し、大学院理工学研究科の学生、教員と交流しました。

ウェルカムミーティング
関西大学 システム理工学部 機械設計研究室の見学

2日~4日は学外研修として、システム理工学部の呂仁国准教授の引率のもと、兵庫県立大学大学院シミュレーション学研究科鷲津仁志研究室、兵庫県立大学大学院工学研究科阿保政義研究室、近畿大学理工学部東﨑康嘉研究室を訪問し、日本人学生、および教員と交流を深めました。

兵庫県立大学大学院 シミュレーション学研究科 鷲津仁志研究室の見学
兵庫県立大学大学院 工学研究科 阿保政義研究室の見学

近畿大学 理工学部 東﨑康嘉研究室の見学

また、地震の恐ろしさやその対策を学ぶため、阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センターを訪問したほか、日本の文化、建築技術を学んでもらうため、改修後の優美な姫路城も訪れました。さらに先端技術の企業として、大阪府柏原市にある(株)ジェイテクトを訪問し、航空宇宙用、風力発電装置用、自動車用などの軸受けの生産現場も見学しました。

5日には本学千里山キャンパスにおいて、システム理工学部の多川則男教授によるトライボロジーに関する講義を受けました。その後、研究成果発表会が開催され、発表会に参加した大学院理工学研究科の学生12名と活発な意見交換や質疑応答が行われました。その後、修了式において修了証が授与されました。

研究成果発表
修了式

さくらサイエンスプログラムをきっかけとして、今後、清華大学との最新のトライボロジー技術の共同研究がさらに発展することを期待しつつ、無事すべてのプログラムを終了しました。

最後になりましたが、このような機会を与えていただきました、さくらサイエンスプログラム関係者の皆様に心から御礼を申しあげます。