2016年度活動レポート(一般公募コース)第80号
協働プロジェクトを通して学ぶ、日本のものづくり技術
大分工業高等専門学校からの報告
平成28年9月5日(月)から9月14日(水)までの10日間、さくらサイエンスプログラムの支援を受けて、マレーシア・ペトロナス工科大学(UTP:Universiti Teknologi Petronas)の学生10名と引率教員1名を招へいしました。本事業を行うにあたり、9名の高専生が協力し、総勢19名の学生を中心に交流活動を行いました。
高専はロボコン(ロボットコンテスト)に代表されるように、ものづくりにおける技術者を育成する目的で設置された高等教育機関です。今回の交流活動では、UTPの学生と高専生との協働プロジェクトによるものづくりを、実際に試みました。双方の国の科学技術領域における様々な問題をPBL(Project Based Learning)手法によって解決し、双方が有する科学技術知識を駆使しながら、UTPの学生と高専生との交流を深めました。
協働プロジェクトでは、エンジニアリング・チーム・プロジェクト(ETP)と称して、UTPの学生と高専生で混合チームを作り、与えられた課題の解決策を英語でディスカッションしながら、プロトタイプ模型の製作を行いました。テーマは3R(Reduce, Reuse, Recycle)についてです。ゴミの減量化を実現するための方策について議論を深め、工学的手法を用いてゴミの選別を自動的に行う装置の開発を行いました。
また、大分県の臨海工業地帯には、日本のものづくりを代表する工場が多数あります。今回は本校から近い新日鐵住金大分製鐵所を見学し、日本における最先端のものづくりを学ぶ研修を行いました。さらに、環境にやさしい発電として注目されている、九州電力八丁原地熱発電所の見学を通して、環境問題および自然との共生を学びました。
発電所がある九重町では、研修所に共同で宿泊し、UTPの学生と高専生が寝食を共にすることによって、より両国学生間の相互理解を深めました。このことにより、研修プログラムへの協働参画意識、研修の効果が大きく向上したように思われます。