2016年度活動レポート(一般公募コース)第79号
素粒子物理学、ロボット工学を通しての国際科学交流
静岡理工科大学 静岡北中学校・高等学校からの報告
10月17日(月)~10月26日(水)の10日間、プリンセス・チュラポーン科学高等学校ルーイ校から、生徒10名、引率教員1名を招へいし、研修プログラムを実施しました。
本プログラムは、日本が世界に誇る素粒子物理学、ロボット工学を、日本、タイの生徒が共に学び、議論し、活動することを通して科学技術交流を促進し、友情を育むことを目的としています。
タイでは、素粒子物理学について多少は扱うものの、各素粒子の種類と性質を学ぶにとどまっており、何を目的にどのように研究されているかについて学んだり、霧箱を使って実際に放射線を観察したりする機会はないということです。
本校スーパーサイエンスコースの生徒たちは、スーパーカミオカンデやCERN・ベルン大学など、実地にて学んだ経験をもっています。その生徒たちと一緒に学ぶことによって、国際的な大規模共同研究においてリーダーシップの一翼を担っている日本の姿に、興味・関心、刺激を与えられた様子でした。
耐震構造ワークショップ、ロボットワークショップ、浜松ホトニクス(株)、(株)アイエイアイ、静岡工科自動車大学校訪問の際には、タイで1990年代より拡大しているハイテク型産業が、いまだに組立作業が中心である現状や、先端技術産業は海外からの調達に頼っていることなど、タイが抱える課題について、タイが目指しているイノベーションのあり方と絡めながら考えるきっかけになったことと思います。
また本校では、科学の発信活動として、生徒自らが校内や地域で科学教室を展開しています。その運営、安全管理について、タイの生徒に事例を示しながら説明した後、実際に本校生徒とともに科学教室を企画、開催してもらいました。
タイの生徒、教員にとっては、授業において科学教室と同様の実験を行ったことはあるものの、科学の発信活動としてこれらを行うのは初めての経験であったとのことです。これらをハンズオンの醍醐味とともにわかりやすく伝えるという視点で行うことに、大きな意義を見出していた様子でした。
今後は科学教室を自校でも取り入れ、生徒の科学発信力を育成していきたいとのことでした。