2016年度活動レポート(一般公募コース)第53号 (Aコース)
シンガポールの姉妹校から10名の高校生が来校しました
兵庫県立神戸高等学校からの報告
兵庫県立神戸高等学校では昨年 に引き続き、さくらサイエンスプログラムの支援を受けて、姉妹校であるシンガポールのラッフルズインスティテューション(以下RI)から高校生10名を招き、交流を行いました。
8日間に渡る交流プログラムの主な内容は、
①ホームステイ、社会・文化施設訪問(寺院や酒蔵、ガス科学館など)
②科学を通した交流活動(研究発表プレゼンテーションや科学工作など)
③企業・大学訪問(シスメックス株式会社及び京都大学大学院エネルギー科学研究科)としました。
さくらサイエンスプログラム2年目となる今年は、シンガポールの高校生が日本の高校生や研究者と協働・議論する機会をできるだけ多く持てるように工夫しました。昨年の交流プログラムは、招へい者にできるだけ多くの施設見学や研究発表に触れてもらうことを目標としたため、スケジュールが少し過密になり、話し合いの時間が十分に取れませんでした。今年はプログラムの数を少し減らし、その分協働・議論を通して日本の科学技術について学んでもらえるようにしました。
スーパーサイエンスハイスクールである本校の総合理学科には課題研究という授業があり、生徒が主体的に科学の分野で研究活動を行っています。またその研究結果を県内・県外の様々な場で発表しています。「研究発表プレゼンテーション」では、このような経験を持つ本校生とRIの生徒がお互いに科学分野の研究発表を英語で行いました。自身の研究内容を伝えるだけでなく、研究内容について活発な議論を交わすことができました。昨年よりも時間設定に余裕を持たせたおかげで、発表タイムが終わっても納得するまで質問をし合い議論を続ける姿が見られました。
京都大学大学院エネルギー科学研究科では、はじめに研究内容に関する講義を大学院生が行い、続いて研究施設の案内を大学教員にして頂きました。シスメックスでは会社の説明と社内見学に引き続いて、若手研究員による質疑応答の時間を設けて頂きました。京都大学でもシスメックスでも、このように20代の日本人研究者との交流があり、多くの質問が招へい者から出され、議論が盛り上がりました。将来、研究仲間となるかもしれない年齢の近い日本人との交流を通して、日本で研究者となることを具体的に想像する良い機会であったと思います。
自然科学研究会との交流(科学実験・科学工作)、総合理学科2年生との科学交流(モデルロケットの作成・打ち上げ)のプログラムは、招へい者と本校生が協働することを通じて交流し、話し合いを深められるように企画しました。特にモデルロケットの活動には丸一日を充て、午前中は座学及びロケットの作成、午後は打ち上げと定点着地競技を行いました。このような時間的な余裕に加え、自然科学研究会も総合理学科2年生も、シンガポール姉妹校との科学交流は2年目であることから打ち解けて話をすることができ、協力して工作を行うこともスムーズにできました。
プログラム全体を振り返って、協働・議論を活発化させたいという目標は成功したように感じます。また本プログラムは招へい者だけでなく、交流に参加した本校生にとっても大きな刺激になり、今後の学習への動機づけになったと思います。支援して下さった関係者の皆様にお礼申し上げます。ありがとうございました。