2016年度活動レポート(一般公募コース)第45号
電子科技大学学生が千葉大学で高周波・MEMSに関する研修を実施
千葉大学大学院工学研究科教授 橋本研也さんからの報告
2016年8月21日(日)~27日(土)の7日間、中国・成都にある電子科技大学(UESTC)から学部生9名と大学院生1名 (計10名)が来日し、千葉大学と東北大学において高周波並びにMEMS(微小電子機械システム)技術に関する研修を実施しました。
UESTCは電気電子工学を核とした非常に高名な大学です。昨年度、一昨年度と同大学と実施した、さくらサイエンスプログラムのプログラムでは、全ての参加機関、参加者、JSTから高い評価を受けており、今年度もほぼこれまで通りで実施しました。
8月21日に成田に到着し、本研究室のドクター学生(さくらサイエンスプログラムOB)が出迎えました。翌日朝は筆者によるガイダンスの後、千葉大学 劉浩教授によるバイオメカニクスに関するセミナーを受講しました。午後は予定していた日本文化の紹介プログラムが台風直撃のため中止となり、代わりに筆者による高周波電子工学に関するセミナーと研究紹介を実施しました。
翌23日は千葉大学 兪文偉教授による生体機能補助機器システムに関するセミナー受講と研究室見学を実施しました。また、近くの寿司屋で歓迎会を実施し、千葉大学側メンバーとの親交を深め、その後、一行は仙台に移動しました。
24日朝は、まず、東北大学史料館を訪問しました。文豪魯迅は同大学の前進である仙台医学専門学校に留学しており、同史料館にはその時の資料が展示されています。
次に、田中秀治教授の研究室に移動しました。同教授はMEMSに関する世界的権威で、研究室には最先端の研究環境が整備されています。まず、田中教授によるMEMSに関するセミナーを聴講した後、彼の広大な研究室を見学しました。また、お昼には田中教授が懇親会を開催して下さり、研究室の教員・学生の方々との親交を深めました。
午後には戸津健太郎准教授の御厚意により東北大学試作コインランドリーを見学しました。これはMEMS試作開発用の共用設備を企業等に開放し、実用化を支援するものです。参加者は世界最先端のMEMS研究・開発環境を垣間見ることができ、刺激を受けたようでした。
その日は仙台に一泊し、翌25日に東北大学 末松憲治教授・亀田卓准教授の研究室を訪問しました。こちらでは世界最先端の移動体通信技術を開発しています。亀田卓准教授に特別講義をお願いし、それに引き続き、研究室を紹介して頂きました。その日の午後に仙台を発ち、千葉に戻りました。
8月26日の朝に、劉教授研究室での羽ばたき飛行や空洞実験等を見学した後、日本科学未来館を訪問し、日本の科学技術の最先端を見学しました。その後、千葉大学に戻り、修了式を行いました。
そして、最終日8月27日午後の飛行機で無事成都へ帰国しました。昨年と同様、参加者は皆、将来、大学院学生やポスドクとして再来日に対する憧れを抱いたようでした。