2016年度 活動レポート 第44号:大阪大学接合科学研究所

2016年度活動レポート(一般公募コース)第44号

接合科学に関してアジア各国と継続的な研究交流

大阪大学接合科学研究所からの報告

2016年7月20日~8月9日の3週間に渡り、当研究所4度目となる、JSTさくらサイエンスプログラムの支援による海外学生(ポスドク含む)の受け入れを行いました。今回はハノイ工科大学(ベトナム)、インドネシア大学(インドネシア)、チュラロンコン大学(タイ)からそれぞれ1名、国立台湾大学(台湾)、カセサート大学(タイ)からそれぞれ2名、モンクット王トンブリ工科大学(タイ)から3名、合計10名の大学院生及びポスドクを共同研究活動コースで招へいしました。

3週間の滞在中、参加者はそれぞれ当研究所の田中 学研究室、近藤勝義研究室、伊藤和博研究室、西川 宏研究室及び堤 成一郎研究室に配属され、「P91(9 Cr鋼)のプロパティおよび微細構造の解析」、「オーステナイト系ステンレス鋼のレーザ溶接時のプールの流体の可視化」、「セラミックスとグラファイトに係る接合」、「粉末冶金で作製されたTi合金への添加元素の添加による強化」等の共同研究を実施しました。

活動初日にはオリエンテーションを実施し、日本での滞在および研究活動における留意点などの説明を行いました。また、2日目には当研究所の施設見学、および受け入れを行う各研究室の研究紹介を行いました。

オリエンテーション
接合研究所での施設見学
接合科学研究所での施設見学

最新機器が揃う当研究所の施設見学では各機器の利用法や用途について活発な質問があり、熱心に施設見学を行いました。受け入れ研究室からの研究紹介については、自分の研究分野と異なる分野についても知見を広げる機会となったようで、どの研究室の紹介についても興味深く聞き入る様子が見られました。滞在中は各研究室における指導教官はじめ、学生から様々な指導やアドバイスを貰いながら研究を進めました。特に滞在中、学生たちには出来る限り有効に当研究所の設備を利用してもらえるよう、利用予約などを適宜入れるようアドバイスを行いました。利用に際しては主に同研究室の学生が付き添い、指導に当たりました。参加者の事後コメントでは、豊富な機材が存分に利用できたことに感動したとの感想が多く聞かれました。

8月8日(月)には当プログラムの最終報告会を開催し、各参加者は3週間の研究報告を行いました。短い滞在にも関わらず、充実した研究活動の様子が伺え、いずれも今後の展開が期待できる内容でした。

最終報告会

参加者からのコメントでは、「当研究所の充実した研究設備に感動し、研究に対する様々なインスピレーションを受けた」、「自分の研究テーマについて非常に有益なアドバイスをもらい、是非再度接合研に戻って研究を続けたい」、「初めての海外渡航だったことから、研究は勿論、日本の文化や生活、食事など様々なことで多大な刺激を受けた」などの感想がありました。

この機会を通じ、これまでのさくらサイエンスプログラム同様、本招へい期間中の受け入れのみで終わるのではなく今後も参加者および派遣元の連携大学と密な連携を図ることで、より活発な国際連携に結びつくよう、取り組みを継続します。

実験の様子
修了証授与