2016年度活動レポート(一般公募コース)第43号
ネパール・インドの大学生と工学分野で研究交流
木更津工業高等専門学校からの報告
ネパールのトリブラン大学と、インドのガンディー工学経営学大学からの一行は7月4日の夜に来日し、7月5日に木更津高専でオリエンテーションを行った後、校内の様々な研究設備を見学しました。また、学生の課外活動として、全国ロボットコンテスト(ロボコン)への参加を目指しているロボット構築作業を見学しました。
7月6日、7日には、工学教育の現状と展開について情報交換を行うことを目的に企画された「効果的な工学教育に関する国際ワークショップ(IWEEE)」を開催しました。
ワークショップ1日目は、アジア各国の工学教育関係者と技術研究者、さくらサイエンスプログラムによる招へい者に、特別聴講学生として本校に滞在していた台湾国立聯合大学からの短期留学生6名と同校教員が加わり、さらに本校の学生・教職員も含め、約40名が参加し実施されました。
ワークショップは英語により進行され、本校の栗本専攻科長による歓迎挨拶から始まり、前野校長による開会挨拶と高専教育の概要・特色説明につづき、愛媛大学のネトラ・プラカッシ・バンダリィ博士による「ネパール、インド、日本における教育経験を踏まえた連携の可能性」、台湾国立聯合大学のティ・カン・ホウ教授による「台湾の工学教育における現状と課題」、GITAM大学のヒマ・ビンドゥ・ヴェ二ガーラ博士による「インドの工学教育の現状と課題」、トリブヴァン大学のサンジーブ・プラサッド・パンディ博士による「ネパールの工学教育の現状と課題」、高専の特別学修授業で連携する楽天株式会社の吉岡弘隆技術理事からは「新世代技術者による楽天の国際的な先導と期待」、そして、千葉大学工学研究科の武居昌宏教授からは「日本における国際的な工学学生の地位と業績」と発表が続き、それぞれ活発な質疑が交わされた。
2日目には、上記の学生と千葉大学、奈良高専の学生及び本校留学生を含む学生による56件のポスターセッションが3グループに分けて行われ、参加学生や教職員と発表学生との間で活発なディスカッションが行われました。当日、夕方には木更津高専の課外活動のひとつであるお茶会に参加し、日本文化を学ぶこともできました。
7月8日には千葉大学工学研究科武居研究室を見学し、体外循環装置における血液凝固の検出に関する実験に参加しました。同研究室は電気計測および流れの可視化を専門としており、ハードウェアとソフトウェアの基礎開発と生体医工学および混相流工学への応用およびその産業化について学ぶことができました。招へい者の学生は日本への留学を検討していて、日本の大学院レベルの学生の研究テーマなどについて熟知する良い機会になりました。
7月9日には日本科学技術未来館および東京消防庁本所都民防災教育センターの見学を行いました。招へい者は電子工学と機械工学が専門であることから、未来館でのヒューマノイドロボットの実演に感動したようでした。防災教育センターでは震度7の地震体験を行い、地震発生に備える内容について学ぶことができました。
7月10日には日本の大学・大学院レベルの学生と招へい者の交流経験に関する口頭発表を行いました。それぞれの発表から招へい者の学生は日本の高等教育および科学技術に感化されており、将来的な日本への留学を強く希望しているようでした。