2016年度活動レポート(一般公募コース)第41号
先端エンジン制御技術の研究を通した中国の学生との学術交流
上智大学理工学部からの報告
2016年7月3日から12日までの10日間、JSTのさくらサイエンスプログラムによる交流活動として、中国の東北大学、大連理工大学、大連民族大学の3大学の学部生、大学院生計8名の学生と2名の若手教員から構成された合同チームを上智大学申研究室に招へいし、交流活動を行いました。
上智大学申研究室ではトヨタ自動車株式会社と産学連携で自動車エンジンシステムの制御技術の研究に取り込んでおり、今回の交流活動も来日した中国の学生が申研究室の大学院生と共に、先端的なエンジン制御実験設備に実際触れることによって、自動車エンジンの高性能化のための制御課題に挑戦し,制御アルゴリズムの構築と検証実験を行いました。
期間中、研究アシスタントを担当した申研究室のポスドク研究員や大学院生と合同チームのメンバーの間で活発な討論がなされ、実機実験のステップでは、たくさんのセンサを用いた計測環境、高性能なエンジン制御システムを前に、合同チームの皆さんが感動する様子が印象的でした。
日中学生の協力もあり、短期間内に中国の学生を主体として考案した制御アルゴリズムの実験検証まで完成することが出来ました。合同チームのメンバーは,制御の応用をシミュレーションとして行っている研究室所属であり、実機を用いたリアルタイム制御はとても新鮮であったように思われます。また、合同チームの独創的な制御のアプローチは申研究室メンバーにとても大きな刺激となりました。
また、今回の滞在期間中、トヨタ自動車東富士研究センターを訪問し、当センターの研究員からエンジン制御技術の開発現状や世界の動向についての講義を受け、同研究員達との合宿を行い、交流を通じて日本文化を勉強することもできました。
また、このほかにも日本科学未来館や浅草の見学も行いました。未来館では最先端技術を活かした展示に,中国からの合同チームメンバーのみならず、申研究室の面々も感銘を受けました。一方浅草では,科学技術以外の側面から日本の文化に触れることで、合同チームの皆さんにとって貴重な体験になったことは間違いないと思われます。
中国からの合同チームとの共同研究を行った本プログラムは、短期間ではありましたが、相互の学術交流から学ぶことは多く、また国際的な視点から研究に取り組むという、とても意義深い時間となりました。本プログラムを通して学んだことが、参加メンバーにおいて今後の研究活動の大きな糧となることを期待します。最後となりましたが,本プログラムで私たち一同に貴重な機会を与えて下さいましたJSTに対し、双方のチーム一同、感謝申し上げます。