2016年度活動レポート(一般公募コース)第40号
日本の科学技術を「実験」から学んだアジアの若者たち
千葉大学教育学部からの報告
2016年7月19日~28日にかけて、タイ・チュラロンコン大学、キングモンクット工科大学トンブリ校、インドネシア・インドネシア大学、ガジャマダ大学、バンドン工科大学、ボゴール農業大学、ウダヤナ大学、カンボジア・王立プノンペン大学から合計10名の大学院生を千葉大学教育学部に招へいし、「日本の先端科学を支える科学技術基礎実験体験プログラム」と題した約1週間の科学実験講座を実施しました。
一行は、7月19日に日本に到着し、千葉大学西千葉キャンパスでのオリエンテーション及びウェルカムパーティーに参加しました。そして、翌日より科学実験講座が始まり、朝から晩まで教育学部の理科・技術科・保健体育科等の教授が担当する実験講座にて科学に関する多岐にわたる分野を学び、自国では経験したことのない"実験から学ぶ"という体験をしました。
7月21日には、県立東高等学校を訪問し、科学部に所属する高校生と交流をしました。「高い所から生卵を落としても割れないためにはどうしたらよいか」というエッグドロップの実験に、英語でディスカッションしながら協働で取り組みました。
7月23日、24日には千葉市科学館・千葉県立中央博物館・国立歴史民俗博物館等の千葉市内外の学習活動支援施設を訪問したり、佐倉市内の武家屋敷などの散策を県立佐倉高等学校の生徒達と行ったりしました。自国では長時間・長距離を歩き回るということが無いASEANの学生達にとって、平常以上の体力を費やすことにはなりましたが、街並みと高校生との交流を大変楽しんだということでした。
7月25日の科学実験講座の合間には昼食会が行われ、千葉大の学生が準備したそば・そうめんを皆で食べました。その他の日にもおでん・やきとり・ちらし寿司などを準備する学生がおり、日本の食べ物についても様々な経験をしました。
7月27日にはファイナルプレゼンテーション及び修了式が行われました。1名につき7分の発表・3分の質疑応答の時間が与えられ、事前に準備していたパワーポイントに沿って、自己・自国紹介、プログラムに参加した感想や経験、身につけた能力について各人が発表をしました。その後、プログラム実施主担当者の副学部長・小宮山教授より修了証書が授与され、同時期に千葉大学を訪問していたフィリピン・サンカルロス大学の学生・教員を含め、全員で記念写真を撮りました。
10日間という短い期間ではありましたが、タイ・インドネシア・カンボジアという異なる国籍の人との交流を楽しみ、日本の人(大学生・高校生・教授等)、文化、食べ物そして優れた科学技術にも触れられ、彼らにとって非常に有意義で充実した経験となったようでした。
ASEANからの学生を受入れ、彼らが日本の先端技術や文化に触れ、日本での研究や勉学に更なるモチベーションを持ち、更には日本への留学を目指すことは大変喜ばしい成果ですし、日本人の大学生・高校生にとっても留学生との交流はグローバルな視点を持つための、良いきっかけとなると考えております。貴重な機会を与えてくださったJSTに深く感謝申し上げるとともに、今後、発展的に継続されることを強く祈念しております。