2016年度活動レポート(一般公募コース)第39号
先端再生医学および災害歯科医療学に関する短期研修を実施
東北大学歯学研究科からの報告
東北大学大学院歯学研究科では、平成28年度さくらサイエンスプログラムの採択に伴い、中国の歯科基幹校である北京大学口腔医学院、四川大学華西口腔医学院、天津医科大学口腔医学院および福建医科大学口腔医学院の4大学から大学院生6名および学部学生4名(計10名)を招へいし、2016年9月31日~9月7日の日程で、先端再生医学および災害歯科医療学に関する短期研修を行いました。
東北大学大学院歯学研究科は2014年に歯学研究科として日本初となる先端再生医学研究センターを設立し、歯科再生医療の教育、研究、実用化に取り組み、高いレベルを誇っています。災害歯科医療学においても、本学は東日本大震災での豊富な実務経験から、この分野において日本でリーダー的な役割を果たしていて、研究・教育ともトップレベルを維持しています。
今回の8日間の研修は、先端再生医学集中講義、災害歯科医療学集中講義および被災地実地研修、歯科材料ハンズオンセミナー、日本最大の歯科材料・機器メーカーである株式会社ジーシーの研究所・本社見学、トヨタ自動車東日本株式会社大衡工場見学など、多岐にわたりました。さらに歯学研究科や病院の見学も行いました。
参加者たちは先端再生医学の集中講義を通し、日本で行っている再生医学での最先端の研究に触れることができました。また、研究室および先端再生医学研究センターを見学し、幹細胞を用いた組織再生研究について体験することができました。
宮城県南三陸町での被災地実地研修では、公立南三陸診療所歯科部長の斎藤政二先生から、津波襲来直後の様子や被災地での歯科活動についての講義を受け、復興状況や復興における歯科医療のあり方について説明がなされた。さらに、被災地を案内しながら当時の様子、現在の状況や災害歯科医療について説明をしていただきました。
株式会社ジーシーは日本最大の歯科材料・機器メーカーであり、世界でも高い技術力・シェアを誇っています。5日に行われた株式会社ジーシーの研究所、本社の見学では、日本の歯科材料開発・製造に於ける高い技術力のみならず、クオリティーコントロール、クオリティーマネジメントについても学ぶことができました。さらに、その後に行われた歯科材料ハンズオンセミナーでは、歯科材料の使用方法やスキールについて実際の製品を用いて体験することができました。
トヨタ自動車東日本の工場では、自動車製造における日本の最先端科学技術のみならず、災害時における電力供給システムについても見学を行い、災害時における官民連携についても学びました。
今回の短期研修では先端再生医学および災害歯科医療学のみならず、歯科材料についても研究、臨床、教育、開発、製造など多角的に学習することができ、参加した学生たちは貴重な体験になり、今後の研究・臨床活動に活用できる知識の蓄積ができたと考えられます。最後に、本プログラムに多大なご支援をしていただいた科学技術振興機構(JST)に感謝を表します。