2016年度 活動レポート 第35号:九州大学工学部

2016年度活動レポート(一般公募コース)第35号

アジア3カ国の高校生たちが体験した九州大学の科学技術

九州大学工学部からの報告

九州大学工学部では、2016年7月10日から19日までの10日間、さくらサイエンスプログラムの支援を受け「九州大学最先端工学・科学探検プログラム(英語名:QUEST Program)」を実施しました。

本プログラムの開催にあたり、ベトナム・ハノイ工科大学附属高校、インドネシアのサンタウルスラ ブミ・スルボン・ダマイ高校、インド・デリーパブリックスクール バーンガロール南校の3カ国の進学高校より、高校生10名と高校教員1名を招待しました。

九州大学伊都キャンパス正門での記念撮影

10日間の滞在中、一行は九州大学の工学研究院、システム情報科学研究院を代表する研究者による最先端科学技術に関して、英語での講義を受け、研究施設での見学や体験学習をしました。

プログラムは初日のガイダンスで幕を開け、午後には福岡県北九州に本社を置く安川電機の「ロボット村」を訪問しました。

安川電機未来館で最新のロボット技術に触れる

2日目午前は、麻生茂教授による宇宙輸送システムの最新の研究についての講義を受け、2種類の風洞施設での体験学習をしました。午後は、津波と海岸構造物に関する模型での実験と、園田佳巨教授による地震国日本における最新の耐震技術についての講義を受け、自然災害と長年戦い培ってきた防災技術に触れました。

高速風洞で谷准教授の説明を受ける参加者
山城賢准教授による高潮シミュレーション

3日目午前は、応用化学部門の安達千波矢教授による特別講義「無限の分子設計が切り拓く新しい有機発光ダイオード」を受け、同教授の案内により、JST ERATO 安達分子エキシトン工学プロジェクト「最先端有機光エレクトロニクス研究センター」を見学しました。午後は、先導物質化学研究所の高原淳所長による身の回りのソフトマテリアルの化学についての講義を受け、学内にある文部科学省「ナノテクノロジープラットフォーム」研究施設を見学しました。

安達千波矢教授の有機ELに関しての講義風景

4日目午前は林灯教授による講義を受け、水素社会ショールームを見学し、燃料電池自動車MIRAIに試乗体験をしました。午後は、電気情報工学への招待というテーマで、システム化学研究院の4つの研究室を訪問し、ロボット技術、超伝導、磁石のエレクトロニクス、無線通信の最新技術について研究室の教授による講義と体験学習に参加しました。

燃料電池自動車トヨタ「MIRAI」試乗後の記念撮影

また、本プログラムでは、5日目にTOTOミュージアム、トヨタ九州の工場、北九州環境ミュージアムも訪問しました。さらに、6日目と7日目に大宰府、博多の寺院を訪問し、日本の文化に触れる機会も設けました。

ゆかたを着ての博多の寺院巡り

最終日は、「未来を担う次世代研究者・技術者をめざして」というテーマで参加した3カ国の高校生によるグループプレゼンテーションと閉会式を行い、プログラムは成功裏に終了しました。本プログラムを通して、参加高校生達は、九州大学理工系教育研究の一端に触れ、他国出身の高校生と協働学習することで深い親交を結ぶことができました。