2016年度活動レポート(一般公募コース)第25号
「大学の研究室、そして日本文化を体験」
アジアの学生たちとサマープログラムを開催-その2
山形大学工学部からの報告
今年度は「工学の視点からスマートで快適な生活を考えよう」のテーマのもと、自分たちが考えるスマートなモノについて討論をし、発表を行いましたが、もう1つの柱となる活動として、工学部にある8つの専攻のうち、各自の専門・関心に合わせ、2つの研究室で研究室メンバーとして過ごす、研究室体験を行いました。
そのうちの1つ、物質化学工学専攻の吉田研究室では、色素増感太陽電池の作製とテストに取り組みました。乾電池を電源として酸化亜鉛と有機色素をメッキする研究室オリジナルの方法で太陽電池を試作し、それを使って電子オルゴールを鳴らすことができました。当日は天気も良かったので、屋外に出て各自が作った太陽電池の電流や電圧の性能について計測を行いました。また、使用したテキストに書かれていたメッキの原理や太陽電池の動作原理、性能評価の方法などに関して、研究室の大学院生が講師役になり、グループ内で討論も行いました。
また、バイオ化学工学専攻の矢野研究室では、日本の発酵食品に用いられる微生物の観察と、ブドウ糖測定用酵素を用いた飲料水の分析を行いました。微生物の観察は、麹カビ、納豆菌や酵母について行い、その匂いに驚いていました。また、ブドウ糖測定用酵素を用いた実験では、反応液の色の変化でブドウ糖が正確に測れることを学び、人工甘味料を含む飲料水と含まない飲料水の違いを真剣に解析していました。
研究室体験は、日本の研究室の様子を肌で感じる非常に貴重な時間となり、今後の日本への留学を考える1つのきっかけになったようでした。
8月5日は日本文化を味わいました。第一部は、山形大学の学生が日本の文化についてデモンストレーションも織り交ぜながら、紹介しました。
第二部は、Tシャツとジーンズから日本の夏のスタイルである浴衣や甚平に着替え、大学から歩いて10分の距離にある上杉神社に行きました。ちょうどこの日は花火大会があり、日本の夏の風物詩を優雅に楽しみました。
プログラム参加者の感想
マレーシア日本国際工科院 CHOO TZE-EU/朱子佑さん
スマートハウスはテーマとして本当に素晴らしかったと思います。特に、昔のスマートハウスと未来のスマートハウスの見学は面白かったです。古人の智慧と現代人の智慧をひとつにして新たなスマートハウスを生むことができるのだと思いました。そして、日本の技術を沢山拝見しました。色々なラボに行ったりして、様々なことを学びました。さらに、日本人の友達もたくさん作りました。皆、とても優しくて、一緒に過ごした時間は素敵な思い出となり、わずか10日間でしたが、強く影響を受けた毎日でした。
このサマプロに参加したことで、私の目標はより明らかになりました。それは日本に留学したいということです。サマプロからマレーシアに帰った後、私は日本留学についての情報をたくさん集めました。日本留学を目指して頑張りたいと思います。そして、私には不足しているものを日本で身につけ、将来は日本とマレーシアの橋渡しになりたいと思っています。