2016年度活動レポート(一般公募コース)第22号
応用物理学分野におけるインドの大学との研究交流
北陸先端科学技術大学院大学からの報告
8月19日~8月28日の10日間にわたって、インドのSri Sathya Sai Institute of Higher Learning (SSSIHL; サティヤサイ大学)より9名の学生と1名の教員を北陸先端科学技術大学院大学で受け入れ、共同研究としてのインターンシップを行いました。
来日メンバーは最初に留学生係でのオリエンテーションを受講した後、それぞれの受入教員の研究室へ移動して研究を開始しました。受入研究室は本学マテリアルサイエンス系の松見研究室(3名)、金子研究室(1名)、安研究室(1名)、筒井研究室(1名)、高村禅研究室(1名)、小矢野研究室(1名)長尾研究室(1名)、情報系の井口研究室(1名)でした。
それぞれの研究室において、エネルギーデバイスを指向した多孔性材料の作製手法に関する研究、フッ化物イオンセンシングに関する研究、光-エネルギー変換材料に関する研究(以上、松見研究室)、バイオベースポリマーに関する研究(金子研究室)、磁性材料に関する研究(安研究室)、細胞へのDNA導入法に関する研究(筒井研究室)、リソグラフィーによるナノ構造の構築(高村禅研究室)、ラマン散乱法による無機系ナノ材料の分析(小矢野研究室)、MOF(metal-organic-framework)を活用した機能性材料に関する研究(長尾研究室)、医療用画像処理プログラムの高速化の研究(井口研究室)などのテーマにそれぞれ従事して研究活動を行いました。
また、多くの研究室では今後も受入学生/研究員との交流を継続していく方向です。例えば、松見研究室では学生の滞在中にSSSIHL側教員とのスカイプ会議を行い、今後の共同研究の方向性について具体的な協議を行い、合意に至りました。長尾研究室でもSSSIHLとの共同研究が合意に至りました。さらに小矢野研究室では実験サンプルが提供され、今後SSSIHL側での評価が進められる見込みです。また、井口研究室でも共同研究や共著論文の作成の可能性について検討が続けられる見込みです。
受入教員の先生方より、各学生について「実験のセンスが良い」「良い学生であった」「今度はもっと長期で来てほしい」などの感想が聞かれました。また、滞在中には本学のインド人学生たちとの交流会も行われ、SSSIHL出身の本学博士後期課程学生のサイゴウラン君から、本学の研究環境や生活環境、日本の諸大学および本学の奨学金事情、インド人視点での日本での生活術などについて詳細で有意義な情報提供が行われました。
また、研究の傍ら、多くの研究室で歓迎会などが行われ、在学生と交流しました。
東京への移動後には、羽田からの出国前に、お台場の日本科学未来館を見学しました。次世代ロボットによるパフォーマンスや宇宙ステーションのモデルなどに興味深く見入っていました。
8月30日にはSSSIHLより、全員が無事に帰国した旨について連絡がありました。その後、先方研究科長からも、今回の受け入れに関して御礼の連絡があり、今後もこのような機会があれば是非活用したいとの感想をいただき、今回の交流を契機とした学術交流・人的交流の継続、進展を双方が望んでいます。