2016年度 活動レポート 第15号:立命館中学校・高等学校

2016年度活動レポート(一般公募コース)第15号

タイの科学高校との継続的な共同研究に期待 その2

立命館中学校・高等学校からの報告

プログラムの詳細

タイのMahidol Wittayanusorn School(MWITS)との交流プログラムの詳細は次の通りです。

7月27日(水) 到着

MWITSから9名の生徒と2名の先生が関西空港に到着。立命館高校へ移動し、オリエンテーションの後、校内見学、さらに、立命館高校の生徒と一緒に、生物の実験にも取り組みました。

7月28日(木)立命館大学

立命館大学情報理工学部において午前、午後に1コマずつ講義を行ってもらいました。講師は、エリック・クーパー先生で、午前中の講義では先生の専門分野であるWEB上の「色」についての講義となりました。午後はそれぞれの生徒が将来研究してみたいと思うことを挙げて、グループでそれを共有し、その後、全体で発表し合い、クーパー先生からコメントをいただくという内容でした。

その講義は、この後の両校間での共同研究を進めるために有意義でした。情報理工学部では次年度より入学から卒業までを英語で学べるグローバルコースが設置されることになっています。立命館生徒の中にはそのコースへ関心を持っている生徒もおり有意義な経験でした。MWITS生徒からもそのコースへの進学者が生まれることを期待しています。

立命館大学情報理工学部での講義受講「研究テーマの模索」.

また、理工学部の高倉秀行先生から「太陽光発電」に関しての講義を聴かせていただき、その後にローム記念館屋上の太陽光発電施設を見学しました。

立命館大学太陽光施設の見学

7月29日(金) 京大総合博物館、京都市内、MWITS卒業生との懇談

午前中、京都大学総合博物館を訪れました。京都大学での研究に関わる資料が豊富に展示されていますが、特に、生物や考古学に関わる展示が多くを占めていて、たいへん興味深く見学を行えました。
夕刻から、宿泊をしている立命館大学大阪いばらきキャンパスにて、卒業生と懇談する機会を持ちました。京都大学、大阪大学で学ぶMWITS卒業生と、高校時代にMWITSと深い交流を行った立命館高校卒業の立命館大学生が参加してくれました。現在の学習や、日本での学生生活、また高校時代の国際交流へのアドバイス等の話をしてもらい、その後、グループに分かれて懇談を行ないました。先輩からの話は刺激的で、たいへん有意義な取り組みとなりました。

卒業生との懇談(大阪)

7月30日(土) 大阪大学、ニフレル

午前中、大阪大学において、同大学院情報科学研究科の八木厚志先生の講義を受講。講義のテーマは「Is math useful in the study of biology?」魚が群れを作ることや、森林域の拡大等を題材に、生物の行動や植物の成育には、個々が無秩序に動く中でも大きな秩序が保たれ、これらの様子が簡単な原則から方程式で再現できるという話でした。自然の神秘さやそれを記述できる数学の重要性を感じることができる内容でした。

大阪大学での講義受講「数学」

午後は、ニフレルにて見学研修を行いました。ニフレルは昨年秋にオープンしたばかりの体験型水族館で、「生きものの美しさ・不思議さを直感的に楽しむ」ことをコンセプトとした最先端施設です。「いろ」「わざ」「すがた」「WONDER MOMENTS」「みずべ」「うごき」「つながり」をテーマとした区域に分かれ、生き物の魅力を美術館のようにアートな空間で学ぶことができ、大いに満足でした。

7月31日(日) 東京へ移動、日本科学未来館

新幹線で京都から東京へ移動。車内から富士山を見ることができ、盛り上がりました。東京到着後は、日本科学未来館にて研修を行ないました。タイの生徒9名、立命館の生徒6名が、3つのグループに分かれ、グループ毎に見学し、興味を持ったテーマを2つ見つけ、写真を見せながら発表する課題を課しての見学としました(発表は翌日)。

日本科学未来館見学の報告会

8月1日(月)東京大学、浅草寺、MWITS卒業生との懇談

東京大学柏キャンパスにて小川雄一先生から「Frontier of Nuclear Fusion Research」についての講義と、立命館高校卒業生でもある量子科学技術研究開発機構の松本太郎先生からITER開発のお話を聴かせていただきました。その後、小川先生の研究室を見学させてもらい、プラズマや核融合の研究について、興味深く学ぶことができました。

東京大学での講義受講「核融合」
東京大学での研究室見学

ホテル到着後、東京工業大学で学ぶMWITS卒業生7名が来てくれ、懇談会を持ちました。最初に、昨日研修を行った日本科学未来館において、興味を持ったテーマをグループ毎に発表する発表会を実施し、次に、卒業生から日本の大学での学習や日本での学生生活について、話を聞かせてもらい、その後で懇談を行いました。先輩の日本での生活に大いに興味を持ち、活発な懇談が行われました。

卒業生との懇談(東京)

7名全員がこれまで立命館高校との交流に参加した生徒で、さらに、そのうち2名は昨年度、立命館高校が招致したさくらサイエンスプログラムで来日し、東京工業大学で研修を受けた生徒達でした。昨年度から2年連続でさくらサイエンスプログラムに参加した立命館生徒もいて、1年ぶりの再会にもなりました。今年の参加者の日本への留学も大いに期待できます。

8月2日(火)国立科学博物館、帰国

国立科学博物館の見学を行ったあと、立命館高校の生徒達とお別れし、タイの生徒たちは成田空港からの帰国となりました。「帰りたくない」「必ずまた来ます」という言葉を残して帰国していきました。ここで得た友情を育み、近い将来に再会し、科学のために日本の生徒達と協力してくれる日が来ることを願っています。

金閣寺の観光