2016年度活動レポート(一般公募コース)第9号
インドの学生が最先端の研究拠点で有機エレクトロニクスを体験!
山形大学工学部からの報告
このたび、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、インド工科大学デリー校、アミティー大学から教員1名、学生10名を招いて、6月13日~6月18日の日程で、研究交流を行ないました。
参加者は日本滞在中に、山形大学工学部が有する最先端の有機エレクトロニクスの研究について説明を受けたり、講義を聴き、さらに企業訪問を行ないました。プログラムの目的は、有機EL材料の合成および有機ELデバイスの作成を通じて有機エレクトロニクスを体験し、日本とインドの将来を担う研究者の交流を図ることとしました。また、有機ELに関する実験や最先端研究施設の見学を通じて有機エレクトロニクスが実現する20年後の暮らしについても考えました。
1日目は有機エレクトロニクスに関する理解を深めることを目的に、講演会を開催し、山形大学工学部を代表する教授陣から最先端の研究について講演をしていただき、さらに工学部内の有機エレクトロニクスの基礎研究を推進する有機エレクトロニクス研究センターや有機フロンティアセンターの見学も行ないました。
2日目は有機ELの合成およびデバイス作成を行い、参加者自ら、手を動かして有機エレクトロニクスの研究を体感しました。また、夜には実験指導を担当した日本人学生とともに交流パーティーを開催しました。日本とインドの学生同士でお互いの研究や国の文化、また将来の夢などについて語り合いました。
3日目は有機EL関連など、大学発ベンチャー企業の見学を行なった。山形大学工学部周辺には多くの大学発ベンチャー企業が設立されていますが、タカハタ電子株式会社では有機ELの製品や日本の企業について勉強を行ないました。また、Lumiotec株式会社では実際にクリーンルームへ入り有機EL照明を製造する工程を見学しました。
同日午後には応用実証を行う有機イノベーションセンター(INOEL)やスマート未来ハウスの見学を行い、研究内容や研究実績を紹介していただきました。基礎研究にとどまらず、応用や実証のための研究拠点を有しており、社会実装へ向けた取り組みを肌で体感してもらいました。
その後、都内で修了証書の授与式を行ない、翌日には日本科学技術未来館を訪問しました。
今回のプログラムでは、山形大学工学部において基礎、応用、実証による網羅的な研究とベンチャー創出による産業化を紹介しましたが、インド人学生には、今回学んだことをインドに持ち帰り、国の枠にとらわれない研究活動の発展や新規起業への足がかりを見いだすことを期待します。また、今回の来日をきっかけに日本とインドのさらなる交流に繋げてほしいと願います。