2016年度 活動レポート 第6号:東海大学工学部

2016年度活動レポート(一般公募コース)第6号

カザフスタンの学生が興味ある分野の研究室にて交流プログラムを実施

東海大学工学部からの報告

2016年5月22日から6月4日までの14日間、JSTの「さくらサイエンスプログラム」の支援を受け、カザフスタンのナザルバエフ大学から11名の学生(メカトロニクス、計算機科学の学部生、男子7名、女子4名)と引率教員1名の計12名を東海大学に招き、短期研修を実施しました。本学工学部の精密工学科、機械工学科、航空操縦学専攻、情報理工学部のコンピュータ応用工学科、情報科学科に所属する11研究室において学生の受け入れを行いました。

14日の滞在期間中、5日間(5月25-27日、6月1-2日)を各自割り振られた研究室における研究活動にあて、それ以外の日程を利用して企業の工場見学やロボット関連の施設訪問等(週末は観光)を行いました。

初日は、大学の紹介と滞在中のプログラムの説明を行った後、寮(国際会館)に移動してもらい、寮の管理人によるオリエンテーションが行われました。その後、全員を外食に連れ出し近隣のファミリーレストランで会食を行いました。翌日の24日は、午前中に本学湘南キャンパスにてキャンパスツアーを行い、その後に工学部航空宇宙学科航空操縦学専攻の所有するフライトシミュレータを体験してもらいました。午後にはロボット関連技術や電気自動車の研究室を訪問しました。夕方には、受け入れ先11研究室の教員および所属する日本人学生達と親睦を深めることを目的としたウェルカムパーティを開催しました。

キャンパスツアー中の集合写真(5月24日)

25日の朝に各研究室に引渡しを行い、いよいよ研究活動をスタートさせました。

25~27日にわたり配属先の研究室で研究活動に従事したのち、28日には、富士山の五合目を訪れた後、近郊の観光名所を数カ所訪れました。生憎の天候で富士山の雄姿を拝むことはできませんでしたが、ガイドの説明や写真を通じて雄大かつ荘厳な姿を感じ取っていました。

西湖いやしの里根場にて

29日は東京観光を行い、浅草、秋葉原、原宿等を訪れました。特に夕食に麻布で食べた焼肉は最高に美味しかったとの感想を聞くことができました。

30日は、辻堂にある湘南ロボケアセンターを訪問しました。同センターでは、事故や病気が原因で自律的な歩行できなくなった人の下半身にロボットを装着し歩行訓練を行うリハビリ支援、および関連するロボット機器の展示・紹介を行っています。ロボットの概要説明を聞くだけでなく、実際にロボットを使ってリハビリをしている様子を見学させてもらうと共に、自分の腕の皮膚にセンサーを貼り付けて、筋電位を用いてロボットを動かすという貴重な体験をさせてもらいました。

午後には日本科学未来館を見学しました。日本科学未来館では、映像でしか見たことのないASIMOの実物のデモンストレーションを見ることができ、他にも様々な最新の科学技術の展示に皆揃って感激の声をあげていました。

湘南ロボケアセンターでリハビリロボットの見学と体験(5月30日)

31日には、午前中に本学の高輪キャンパスを訪れ、バーチャルリアリティに関する講義と研究施設の見学を行った後、午後には日産の横浜工場を見学し自動車のエンジンの組立工程を至近距離で見学しながら色々な技術的質問を投げかけていました。

東海大学高輪キャンパスで仮想現実感の講義と実体験(5月31日)

6月1日, 2日の研究活動日を挟み、3日の成果発表会では、各自の研究活動報告と今回のプログラムの感想を述べてもらい、続いて修了式を行い、翌日4日に無事帰国の途につきました。成果発表会後のフェアウェルパーティでは、今回参加したカザフスタンの学生は「日本の先生や学生の皆さんには多くの手助けをしてもらいました。人の優しさを感じるとともに、生活規律の整った文化にも感動しました。また日本に戻ってきて研究をしてみたい」と感想を述べました。また「最先端の研究を見てみたいと思い研修に参加しました。序盤は戸惑うかと思っていましたが、日本の学生が思っていた以上にフレンドリーでとても驚きました。研究成果だけでなく、文化の素晴らしさもカザフスタンに帰って伝えたい」という嬉しい感想を聞くことができました。この度は貴重な機会をご提供いただきましたJSTならびに「さくらサイエンスプログラム」に心より感謝致します。

修了式で工学部長より修了証を授与(6月3日)