2016年度活動レポート(一般公募コース)第1号
台湾の工業系高校との交流で大きな成果(2016年5月6日~5月15日実施)
東京都立科学技術高等学校からの報告
このたびのさくらサイエンスプログラムによる交流プログラムの実施について、経緯・実施内容・成果・今後の展望の4つの観点から報告します。
参加経緯
本校はSSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定されていて、国際的に活躍できる科学者・技術者の育成を大きな目標に掲げています。これまでSSH事業として生徒を海外に派遣し、海外での科学コンテストへの参加やフィールドワーク、現地校との交流などを行ってきました。
もちろん成果はありましたが、特に英語圏の国での活動は高い英語の壁がありました。もう少しハードルを下げた国際的な活動ができないかと模索していたところ、さくらサイエンスのことを知り、このプランなら訪問してくれる学校に経済的な負担を強いることなく自分たちのホームグラウンドで交流ができるので、生徒達もより積極的に取り組みやすいだろうと考えました。そこで修学旅行での半日交流を通じて数回の付き合いがあった台湾・木柵高工を交流パートナーに選び、来日に向けて準備を進めることとなりました。
実施内容
実施内容は、お互い工業系の学校であるため英語での相互課題研究発表を軸にした内容にしようと考えました。双方、数本の口頭発表をし、両校生徒がすでに行っていた研究の中から内容が近かった自転車の最適化についての発表も互いにすることができました。研究内容の深化に向けての意見交換が非常に有意義でした。その他、英語の授業中に相互プレゼンテーションを英語で行い、学校紹介や自国の文化・観光紹介等を行ったり、日本語講座や木柵高工生による中国語講座も実施しました。
通常の理科・数学・工業などの科目を本校生徒と一緒に学ぶことに加え、調理実習に参加し和食をつくったり、流しそうめんを体験したりと日本文化にも数多く本校生徒とともに触れました。部活動や体育祭にも参加し、本校生徒との友情をさらに深めました。
校外学習では日本科学未来館・日本大学理工学部電子工学科・江戸東京博物館・東京スカイツリー・すみだ水族館・浅草を訪問し、また大相撲観戦などで、日本の科学技術と伝統文化に感銘を受けていました。どの校外学習にも本校生徒が多数同行し英語で解説したりして積極的な交流を行なっていました。
成果
成果としては、木柵高工生が最先端の日本の科学技術に触れ、その水準の高さを知ることができたことが挙げられます。来日中の10名の生徒の半数以上がぜひ今後日本で学んでみたいと言っていました。日本の高校生活を体験し、日本の高校教育の質の高さや日本文化のすばらしさについても知ることができたようです。
本校生徒も相互課題研究で台湾の高校生の研究が非常に優れていることを知り、刺激を受けていました。木柵高工生が本校に10日間滞在したことで、本校のほぼすべての生徒が授業・部活動・行事・校外活動を通じ木柵高工生と触れ合う機会を持てました。交流を通じ、台湾の科学技術の水準の高さとともに日本の科学技術のすばらしさを再認識する機会にもなりました。
今後の展望
今後の展望として、最終的には共同研究の推進と国際科学コンテストへの合同参加を考えています。今回の交流をきっかけに両校が正式に姉妹校になることになりました。来年は本校の生徒10数名が木柵高工を1週間程度訪問する予定で、再来年は木柵高工の生徒が本校を訪問予定です。交流を深める中で、共同研究の推進と国際科学コンテストへの合同参加へとステップアップしていきたいと思っています。