さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第40号
アジアからの高校生、最先端の重粒子線がん治療を学ぶ
国立研究開発法人科学技術振興機構
来日中のインドネシア、ブルネイ、台湾の高校生の第1班(40名)は、8月5日、独立行政法人放射線医学総合研究所(放医研)を訪問しました。放医研は世界で初めて重粒子線がん治療専門装置HIMACを開発・建設し、先進医療・臨床試験の両面で高い成果をあげています。
高校生たちはまず、重粒子線がん治療の変遷と、従来の放射線がん治療と重粒子線治療とどこが違うのかというレクチャーを受けました。従来の放射線治療ががん細胞だけでなく正常細胞へのダメージも大きいのに対して、重粒子線はがん病巣のところに止まるときにだけ大きな成果を発揮する。そのため体の奥の手術しにくいがんを治療することもでき、体に優しい最先端のがん治療という点を学びました。
放医研では重イオン(炭素イオン)線をがん治療に利用しています。
そして実際のHIMAC施設の見学です。そのほとんどは地下に埋められていますが、全体の面積がサッカー場ほどにもなる巨大なマシーンだと聞いて、高校生たちはかなりびっくりした様子でした。
もともと全体を見学するのは難しいのですが、その一部を実際に見学し、世界的に注目されている最先端のがん治療の一端に触れることができた貴重な経験でした。