さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第28号
「自分の体で日本を体験し、日本から何を学ぶか考えてほしい」
程永華・中国大使が高校生たちを激励
国立研究開発法人科学技術振興機構
さくらサイエンスプログラム高校生コース第3グループとして来日した中国の高校生10人と引率の先生である、中央民族大学付属中学の武学志先生が、7月9日午後3時に東京の中国大使館を表敬訪問しました。
中国大使館の程永華大使、阮湘平公使参事官(科学技術担当)が笑顔で高校生たちを出迎えました。
まず、生徒たちに同行したJST特別顧問の沖村憲樹・さくらサイエンスプログラム推進室長から、この事業の実施に当たり、程大使が中国の関係省庁と調整し、実現するために尽力されたことに感謝の気持ちを伝え、昨年度のさくらサイエンスプログラム実施1年間の実績を報告しました。
これに対し程大使は2年前、尖閣列島問題で日中関係が最も厳しいとき、「沖村氏が率先して10数回中国関係機関を訪ね、科学技術分野の若い人材交流の理解を求めた」とその功績を称えました。
そして万難を排し最終的に「さくらサイエンスプログラムという交流事業を実現したことに対し、心から感謝する」と述べました。
また程大使は「インターネットで流れているような情報からではなく、今回は自分の体で日本を体験し、ソフトな面でどう日本から学ぶか考えてほしい」と語り掛けました。生徒たちは身じろぎもしないで程大使のメッセージを聴きながら、時折、大きくうなずいていました。
生徒の代表から、「日本人は親切であり日本は綺麗です。自分が想像していた日本とまったく違う国だった」などの感想を語りました。
中央民族大学付属中学の女子生徒である王琛さんは「JICEから派遣されたコーディネーターの中国人が、来日10数年にも関わらずやさしい声でしゃべり、礼儀正しく、日本人と同じしぐさで振舞い、人を変える環境の大切さを感じた」と興味深い発言もありました。
最後に、生徒たちが感謝の気持ちを込めて、持参してきたお土産を程大使と沖村氏に贈って記念写真を撮影するなど和気あいあいの楽しい懇談の場となりました。
大使館を辞する際には、程大使が外まで出てきて見送り、生徒たちも最後まで手を振って別れを惜しみました。