さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第17号
科学を学ぶ楽しさを満喫した実験教室
東京理科大学で見て触れて楽しんだ研修授業
さくらサイエンス・ハイスクールプログラム(第2グループ)
国立研究開発法人科学技術振興機構
第2グループのインド(31人)、マレーシア(10人)と付き添いスタッフ7人が5月22日、東京・神楽坂の東京理科大学を訪問して数々の楽しい科学実験授業を受けた。
藤嶋学長が科学の楽しさを講義
冒頭は、藤嶋昭学長の「How to enjoy science」のタイトルで授業が始まった。学長は専門の酸化チタン光触媒の原理を発見したドラマを紹介し、酸化チタンの電極を通して水を酸素と水素に分解する原理を説明した。
さらにこの光触媒は、水の撥水作用やウイルスや細菌を殺す作用があること、さらに油分を分解してガラスやタイルなどの汚れを防止する作用があることを説明した。
生徒たちはこうした講義にも非常に興味を示し、世界各地で実用化されている光触媒の効果を示す写真には大きくうなずいていた。
講義の最後は、「空はなぜ青く見えるのか」という問いかけとそれを実験で見せる講義には関心を示し、光触媒の粒子が混入したボトルの水にライトをあてると、黄色から青色に段階的に変化している状況に感動した様子だった。
このあと、マレーシアからの留学生のAUNEE AZURINA BINTI ZULKIFLI(アウニ アズリナ ビンティ ズルキフリ)さんが自分の留学生活を紹介し、東京理科大学で共に学ぼうと語った。
アウニさんは現在、工学部第一部電気工学科4年生のリケジョである。留学のきっかけや来日してからの日本各地への旅行やバイトの体験談を語り、研究室の様子と自分が取り組んでいる研究テーマなども語って聞かせた。
秋山仁教授が数学の原理で作った多面体で講義
昼食をはさんで午後からの講義は、バンダナを巻いた名物先生の秋山仁教授が、色とりどりの多面体を見せながら、数学の原理で立方体を作っていく様子を手際よく操作しながらまるでマジックのような授業を披露した。
続いて教室を近代科学資料館にある「数学体験館」へ移動した。ここには秋山教授が考案した数々の数学実験装置が陳列してあり、生徒たちは実際に装置に触れて自ら操作して確かめることができる。
円錐曲線の不思議やサイクロイド曲線を実証する滑り台などの実験では、生徒らの眼が食いつくように輝き、数学の面白さを感じた様子だった。
最後は蔡兆申教授の「Superconductivity and Quantum Coherence」のタイトルの講義があり、さらに物理学科の川村康文教授の研究室を訪問し、自然エネルギーの発生実験などを体験して楽しい時間を過ごした。